正直者はバカ!? ウェブ入社試験に“替え玉受験”横行
2010/3/16 16:56最近の“就活”はインターネットが不可欠。説明会の日程は会社のウェブサイトで発表され、説明会への参加から面接の申し込み、履歴書の送付まで、すべてネットで行われている。
近年はそれに加え、“入社試験”までウェブサイト上で行う企業が増えている。「言語(語学)」「計数」「性格」「意欲」といった一般常識と適性の試験に選択式で回答するもので、多数の応募者が殺到する人気企業や地方の応募者が多い企業で導入が進んでいる。志望者は企業が定めた期間内にネット経由でエントリーし、制限時間内に回答する。企業側は“性善説”にもとづいて実施しているが、監視する者がいないため、「替え玉受験」に手を染める学生は後を絶たない。
たとえば先月末、上智大法学部3年の男子学生は自身のブログに次のような書き込みを行った。
《私立大文系にとって筆記試験ほどやっかいなものはないだろう(中略)エイ◯ックスとかの計数だけは友人に解いてもらったり》《物産も電通も博報堂もテストセンターで替え玉効かない》《日本興亜の結果がきました(中略)落ちたっしょ やっぱりwebテストは自力で受けるものではないですな》
こうした学生に企業も手を焼いているが、企業以上に怒り心頭なのが、まじめに試験を受けている学生たち。同じく就活中の男子学生は、不快感をあらわにする。
「私の志望先の入社試験も、半数以上がウェブテスト方式ですが、大学に備え付けの1台のパソコンを数人の学生が取り囲み、それぞれの試験の答えを教え合っています。英語は留学経験者が電子辞書を使い、数学は工学部生が電卓を用いて正答を教えている。こんなテスト、正直者がバカを見る以外の何物でもありません」
この声に対し、実際にウェブテストを行っている大手メーカーの担当者は「会場を借りて一斉に行う従来の入社試験に比べて、ウェブテストは大変なコスト削減になる。いまさら会場型には戻せません。替え玉受験があることは織り込み済み。その後の数回にわたる面接で、ダメな学生は必ず淘汰されます」と語る。だが、「ウェブテストを親に手伝ってもらい、最終的に内定を得た学生もいる」(前出の学生)という。
学生が替え玉受験を“告白”した上智大は「学生の在籍や書き込んだ事実は確認しましたが、実際に替え玉を行ったかは調査中」と回答。その結果次第で、学生への指導や名前が挙がった企業への対応を検討するという。
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