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所長
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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2010.03.16

 金総書記 40億ドルの逃走資金? 欧州の銀行に 

カテゴリ北朝鮮出典 読売新聞 3月16日 朝刊 
記事の概要
英紙デイリー・テレグラフ(電子版)は14日、韓国情報当局者の話として、北朝鮮の金総書記が国外逃避などの緊急事態用に、欧州の銀行に約40億ドルの秘密資金を保有していると報じた。

同紙によると、資金の大部分は当初、スイスの複数の銀行に預けられていたが、当局がマネーロンダリング(資金洗浄)の規制を強化したため、ルクセンブルグの銀行に移された。

さらに別の国の口座に移された可能性がある。

秘密資金は、核兵器やミサイルに関連する技術の売却、麻薬取引、外国通貨偽造などで得た金とされる。

北朝鮮住民が秘密資金の存在を知れば、体制批判に結びつく可能性があると指摘した。
コメント
マカオの銀行に保有していた金総書記の個人資金は一旦凍結され、凍結解除後は別の銀行に移されたという。

またスイスの銀行に保管してあった個人資金も、別の国の銀行に移されたと聞いている。それがルクセンブルグの銀行だったという訳である。

アメリカの捜査当局は、テロリストの資金源を追求する体制を強め、外国の資金の移動に監視能力を高めている。そのため、金総書記の資金の流れも容易に把握できるのではないか。

40億ドルの現金を持ち運ぶ訳にはいかないから。

40億ドルの額だが、これは従来から指摘されていたスイスの銀行に預けていた金額と一致する。

スイスは従来の銀行資金の秘密性を保証する政策を転換している。世界中の反社会的な資金が集まってくるのを阻止するためである。

どのようなお金でも、儲かればいいという国民性を疑われるからだ。

しかしこの秘密資金が情報を統制されている北朝鮮国内で広まるだろうか。

北朝鮮の大将軍様を誹謗する西側のねつ造情報として片づけられると思う。独裁政権とはそのように統治者の都合のいいものである。

だが、金正日の周辺の者では、お金に困ればこの秘密資金に目が向く者がいると思う。いわゆる横領を狙って動き出す。それが金正日支配体制を揺らがしかねない。

そのことを狙って、このような情報は流布される。国民の体制批判のためではなく、体制内の混乱を招く狙いが込められている。

40億ドルを狙って真っ先に動き出すのは誰か。それがこれからの見所(みどころ)である。
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