ここから本文エリア ルポ 新「保守」(中)2010年03月16日
●ネット発 危うい動員 2月下旬のデモの様子を、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)はインターネットの動画サイトで生中継した。全国から同時にアクセスした視聴者は1千人を超す。 昨年12月に京都の朝鮮学校前で騒いだ動画は、早回しの映像に軽快なBGMが付いた、音楽ビデオのような導入で始まる。この3カ月で計9万回以上閲覧された。 在特会の主張は、在日韓国・朝鮮人らが日本に滞在し、普通に暮らすこと自体を、ほかの外国人と比べて「特権」と批判するものだ。生活保護の受給や外国人犯罪と、在日との関係を強調し、社会に潜在的にある差別意識や、生活不安をくすぐる。現在、朝鮮学校への助成廃止などを求め、自治体や地方議会への働きかけを狙う。幹部は語る。「過激な映像や批判的報道で、名前が売れた。次は行政との交渉力をつける番だ」 【北海道大大学院の中島岳志准教授(政治思想史)の話】 政治はここ10年、既得権たたきに躍起だった。規制緩和や郵政民営化、公務員改革、事業仕分けなど、国民の「自分より得しているヤツがいる」というねたみをあおり、支持を得る。ワイドショーも対立構図に乗った。在特会の「特権」という発想や、ネット動画の中で運動を演じるのも、劇場型政治の戯画だ。経済政策の選択の幅が狭まり、政治の対立軸として、夫婦別姓や死刑、外国人参政権など「価値観」を問う問題が前面に出てきた。「左・右」ではなく、「好き・嫌い」で政治を判断する時代になっている。
マイタウン愛知
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