軍事評論家。岡崎研究所特別研究員。「チャンネル桜」コメンテータ。平河総研・専務理事
繰り返される「安保ただ乗り」不満
2010年03月14日11時36分 / 提供:軍事評論家=佐藤守のブログ日記
遅れていた書斎整理を再開したが、貴重な切抜きなどの資料に目を奪われてなかなか先に進まず、整理ができない。
昨日、昭和60年代の資料整理中にたまたま面白い記事を見つけたから、引用すると時間がかかるので貼り付けておこうと思う。
ケーブルTVでも取り上げられていたのだが、今朝の産経に「トヨタ問題」で「米ABC『一部操作』」と出ているように、急加速する実験を放映した米ABCテレビで、エンジンの回転数が急上昇するシーンは“停止状態の車”で撮影したのだと言う。冗談じゃない、止めた車でアクセルを吹かし、回転計が急上昇するシーンを撮影したと言うのだから、アメリカのTVも、“南京大虐殺”で虚報を宣伝した国民党広報部並みにレベルとモラルが低下した証拠だろう。
先日、公聴会に出席した“ご婦人”の涙の証言からして「ヤラセ」臭かったのだが、米国民の一部には、米国が誇った世界のGMを抜いて業界一番に躍り出た「サルの惑星」が妬ましかったという事か。
スポーツ界ではトップは常に2位以下から目標にされるが、国際関係では、体力技術ではなく謀略を持って叩き落されるのが相場だから、その点の警戒心が欠如していたのが“トヨタの欠陥”だった、と私は思っている。
しかし、この手の日米摩擦は“定期的?”に繰り返されてきたことを忘れてはなるまい。貼り付けた記事は「東芝ココム違反事件」の時のものだが、他にも石橋ブリジストンのタイヤ「ファイヤストン欠陥」問題があった。
これら日米経済摩擦の裏に横たわっているのは「安保ただ乗りを享受している敗戦国日本」に対する米国の不快感である。今回のトヨタ問題も、たぶん日本政府が言を左右して長年解決を引き伸ばしてきた「NLP問題」と今回の普天間基地移設に見られる反米基地問題だろう。東芝事件では、わが国独自のFS−X戦闘機開発が、日米共同に変更された・・・
次の記事1は、まるで「東芝」を「トヨタ」に置き換えても通用する!
記事2は、その背景を分析した読売の解説である。
記事3は、産経「正論」欄の、田久保忠衛氏の所論だが、ご本人の顔写真が“若すぎる!”以外は、内容は今でも通用する。特に文中の同種事件に対するノルウェーの国営コングスベルク・ワッペンファブリック社に代わって、ノルウェー政府が首相自らレーガン大統領に親書を送り、国防相をワシントンに派遣した対応振りと、日本政府の対応振りの比較が参考になる。この時東芝は、会社首脳が引責辞任して米大使館にお詫びに行ったが、ノルウェーは政府が誠意を持って片をつけた。トヨタという民間企業が孤軍奮闘、政府は“静観”しているが、今も昔も日本政府は表に出たがらないのはどういうわけか?民間企業に言わせれば、政府の仕分けこそが急務だろう。これじゃ「トラスト・ミー」と言っても誰が信用するものか!
安保ただ乗りの付けは、経済的にふところが潤うことには成功したが、日本人の精神的退廃を促進し、対米従属を定着させてしまった。
たまたま今朝の産経6面に「歴史に消えた参謀=吉田茂と辰巳栄一」「遅すぎた『再軍備が必要』への転換」という連載記事が出ているが、吉田の「再軍備回避策」によって、「日本国民の多くは軽武装で平和を実現するとの『幻想』に寄り添い、同時に米国の抑止力に頼るという『依存』に慣れきってしまった」のである。
一昨日の夜のNHKで、日米安保に関する討論が放映されたが、一部の識者を除き、大半の出席者は対米“ゲイシャ”スタイルではないか。『アメリカは日本を本当に守ってくれるのか?』『くれる』『くれない』などと、自分で自分を守ることをしないで、抜けシャーシャーと相手への要求だけを討論する日本人の醜い顔。強そうな発言、過去の自慢をいくら並べてみても旦那に「捨てないでね〜」とすがる妾・芸者の姿を髣髴とさせる。ここまで日本人は精神的に堕落してしまったのである。
昨年3月22日早朝、吉田・辰巳の2人が国防問題について話し合ったとされる吉田邸が火災で消失したのは、戦後日本の現状打破についての“象徴的な出来事”だったのではないかと思う。今からでも遅くはない。国の根幹である憲法を改め、腐って消滅しつつある日本人精神を取り戻すことこそ、日米摩擦を減らし同盟関係を正常にするものであり、21世紀に生きる、あと継ぎである優秀な青少年達に勇気と希望を与える第一歩だと思う。
戦後長期に亘ってわが国を支配し、武士の国だったわが国の「士農工商」を良きにつけ悪しきつけ「商農工士」に変更して、惰眠を貪る性癖を国民に定着させた自民党の、それがせめてもの罪滅ぼしだと私は思うのだが、内紛が起きているようでは頼りになりそうにない。
今こそ心機一転、自民党は党本部に「Z旗」を掲げるべき時ではないのかと思うのだが、今の“虚弱”に見える自民党員たちにその自覚があるのか無いのか?
・記事をブログで読む
昨日、昭和60年代の資料整理中にたまたま面白い記事を見つけたから、引用すると時間がかかるので貼り付けておこうと思う。
ケーブルTVでも取り上げられていたのだが、今朝の産経に「トヨタ問題」で「米ABC『一部操作』」と出ているように、急加速する実験を放映した米ABCテレビで、エンジンの回転数が急上昇するシーンは“停止状態の車”で撮影したのだと言う。冗談じゃない、止めた車でアクセルを吹かし、回転計が急上昇するシーンを撮影したと言うのだから、アメリカのTVも、“南京大虐殺”で虚報を宣伝した国民党広報部並みにレベルとモラルが低下した証拠だろう。
先日、公聴会に出席した“ご婦人”の涙の証言からして「ヤラセ」臭かったのだが、米国民の一部には、米国が誇った世界のGMを抜いて業界一番に躍り出た「サルの惑星」が妬ましかったという事か。
スポーツ界ではトップは常に2位以下から目標にされるが、国際関係では、体力技術ではなく謀略を持って叩き落されるのが相場だから、その点の警戒心が欠如していたのが“トヨタの欠陥”だった、と私は思っている。
しかし、この手の日米摩擦は“定期的?”に繰り返されてきたことを忘れてはなるまい。貼り付けた記事は「東芝ココム違反事件」の時のものだが、他にも石橋ブリジストンのタイヤ「ファイヤストン欠陥」問題があった。
これら日米経済摩擦の裏に横たわっているのは「安保ただ乗りを享受している敗戦国日本」に対する米国の不快感である。今回のトヨタ問題も、たぶん日本政府が言を左右して長年解決を引き伸ばしてきた「NLP問題」と今回の普天間基地移設に見られる反米基地問題だろう。東芝事件では、わが国独自のFS−X戦闘機開発が、日米共同に変更された・・・
次の記事1は、まるで「東芝」を「トヨタ」に置き換えても通用する!
記事2は、その背景を分析した読売の解説である。
記事3は、産経「正論」欄の、田久保忠衛氏の所論だが、ご本人の顔写真が“若すぎる!”以外は、内容は今でも通用する。特に文中の同種事件に対するノルウェーの国営コングスベルク・ワッペンファブリック社に代わって、ノルウェー政府が首相自らレーガン大統領に親書を送り、国防相をワシントンに派遣した対応振りと、日本政府の対応振りの比較が参考になる。この時東芝は、会社首脳が引責辞任して米大使館にお詫びに行ったが、ノルウェーは政府が誠意を持って片をつけた。トヨタという民間企業が孤軍奮闘、政府は“静観”しているが、今も昔も日本政府は表に出たがらないのはどういうわけか?民間企業に言わせれば、政府の仕分けこそが急務だろう。これじゃ「トラスト・ミー」と言っても誰が信用するものか!
安保ただ乗りの付けは、経済的にふところが潤うことには成功したが、日本人の精神的退廃を促進し、対米従属を定着させてしまった。
たまたま今朝の産経6面に「歴史に消えた参謀=吉田茂と辰巳栄一」「遅すぎた『再軍備が必要』への転換」という連載記事が出ているが、吉田の「再軍備回避策」によって、「日本国民の多くは軽武装で平和を実現するとの『幻想』に寄り添い、同時に米国の抑止力に頼るという『依存』に慣れきってしまった」のである。
一昨日の夜のNHKで、日米安保に関する討論が放映されたが、一部の識者を除き、大半の出席者は対米“ゲイシャ”スタイルではないか。『アメリカは日本を本当に守ってくれるのか?』『くれる』『くれない』などと、自分で自分を守ることをしないで、抜けシャーシャーと相手への要求だけを討論する日本人の醜い顔。強そうな発言、過去の自慢をいくら並べてみても旦那に「捨てないでね〜」とすがる妾・芸者の姿を髣髴とさせる。ここまで日本人は精神的に堕落してしまったのである。
昨年3月22日早朝、吉田・辰巳の2人が国防問題について話し合ったとされる吉田邸が火災で消失したのは、戦後日本の現状打破についての“象徴的な出来事”だったのではないかと思う。今からでも遅くはない。国の根幹である憲法を改め、腐って消滅しつつある日本人精神を取り戻すことこそ、日米摩擦を減らし同盟関係を正常にするものであり、21世紀に生きる、あと継ぎである優秀な青少年達に勇気と希望を与える第一歩だと思う。
戦後長期に亘ってわが国を支配し、武士の国だったわが国の「士農工商」を良きにつけ悪しきつけ「商農工士」に変更して、惰眠を貪る性癖を国民に定着させた自民党の、それがせめてもの罪滅ぼしだと私は思うのだが、内紛が起きているようでは頼りになりそうにない。
今こそ心機一転、自民党は党本部に「Z旗」を掲げるべき時ではないのかと思うのだが、今の“虚弱”に見える自民党員たちにその自覚があるのか無いのか?
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