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・小寺信良 (Nob_Kodera) - Twitter
非実在青少年規制反対集会速報
2010年03月15日17時54分 / 提供:コデラノブログ4
記事をリリースできる立場の人たちには、そこを正しく伝えていただきたい。
・漫画家 さそうあきら氏
法律の目的を考えるべき。性的搾取をされないようにということだが、児童ポルノの制作に実在の子どもを使えば、被害はある。しかし空想のキャッチボールであるマンガはどうなんだ。
青少年の健全な育成とはなんなのか。僕も子どもに見せたくないものはある。昨今の政治家の醜態は、18禁にしてもいいぐらいだ。
何かを隠蔽したり押しつけたりすることで、健全な育成ができるわけじゃない。子どもだってバカじゃない。ぱーっとめくって、いやだったら閉じることだってできる。逆に全部読んだら犯罪者になるわけではない。
・漫画家 齋藤なずな氏
理屈で考えることが不得手だが、これを読んだときに直感的にどうもおかしいと思った。私は普段、オヤジ向けの作品ばかり書いているのだが、思い起こせば高校生のセックスについて肯定的に書いている作品もある。これがひっかかるとなると、ずいぶん多くの作品がひっかかってくる。
たとえば大学でマンガを学んでいる生徒たちは、高校生の経験をもとにすることになるわけだが、この規制では漫画家のとっかかりになるところで規制されてしまう。そんな状態は許されるべきではない。
・京都精華大学マンガ学部教授? 氏名聞き取れず(誰か教えて)
青少年はそもそも何見ても性的に刺激されるだろう。かつて自分は、英語の教科書に登場するルーシーとベンで不健全な妄想をしたぐらいである。中高生でありとあらゆるものを、妄想の素材とする。人間の妄想の自由、それを共有することの自由を犯されたくない。それを法で罰していくのは間違っている。
かつて小学生の自分は、永井先生のハレンチ学園などで情操教育された。そのようなことは、今の子供たちにもあっていいはずだ。
・漫画家 永井豪氏
40年前にこの法律があったら、ハレンチ学園はかけなかった。マジンガーZなどは国際的にも評価されているが、ヒロインの性的な魅力がポイントになっている。
たとえば違う犯罪があって家宅捜索されたときに、別件でしょっぴくことはあり得る危険な法案。日本のマンガが発展し、アキバに外国人が押し寄せてきているのは、日本は魅力的コンテンツが自由に描けることが大きかった。韓国では規制が厳しく、マンガの発展が30年遅れてしまったといわれている。
日本にはハリウッドと同じぐらいの宝がある。これは世界のコンベンションでもよく言われる。若い人がそういうものを描いてみたいという思いが、可能性を広げている。
日本は資源がない。知財は未来に重要。規制されてマンガ産業が疲弊してしまった、らつまらない国になる。おもちゃ、テレビ業界などに影響をおよぼすものである。
・評論家 呉智英氏
子どもは馬鹿だと前から思っている。ポルノっぽいマンガをみて犯罪を起こさないとは言えない。僕は子どもが嫌いなので、ロリコンではない。しかしこれは危険である。一つは法律論、もう一つは文化論の問題。
法律論では、行政、司法が一般に介入するところでは、必ず歯止めが必要。すばらしいものを検証することは、あってもいい。メディア芸術祭などもそうである。
一方行政、司法がこれを書くことはまかりならんということは、やってはいけない。推奨はやってもいいが、禁止のほうは常に警戒しなければならない。子どもが危険に走ることを防止する策としては、ゾーニングなどの手段がいろいろある。
文化論、文明論としては、多くの社会倫理を考えたときに、文化・芸術・表現は別の論理で動いている。人間、社会にはネガティブな面もある。これを描かないと芸術も文化も描けない。
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