性犯罪:犯人に高学歴者多し

ほかの凶悪犯罪の2倍、ゆがんだ性意識が原因

 韓国で性的暴力やわいせつ行為などの犯罪で起訴された被告のうち、20%が大卒以上の高学歴者だということが分かった。

 これは、韓国社会のゆがんだ性意識を学校教育が矯正できていないという反証といえる。

 法務研修院が15日に発行した『2009年犯罪白書』によると、08年に性犯罪で起訴された被告1万3377人のうち、2706人(20.2%)が大卒以上の学力を有するという。高卒は34.4%(4602人)、中卒は10.5%(1397人)、小学校卒業以下は5.8%(779人)だった。

 性犯罪者の大卒以上の割合は、ほかの凶悪犯罪の2倍に当たる。ほかの凶悪犯罪者で大卒以上の学力を持つ人の割合は、08年基準で殺人13.0%、強盗10.9%、放火9.3%だった。

 専門家は、貧しさが主な原因となるほかの犯罪とは異なり、性犯罪はゆがんだ性意識と自己節制不足が原因となるためだ、と分析している。

 東国大のクァク・テギョン警察行政学科教授は、「高学歴者でも性に対する意識がゆがみ、男女間の健全な関係形成能力が足りない場合がある。これは小学校から大学まで、韓国社会が正しい性倫理教育を行えていないことを意味する」と指摘した。

 一方、性犯罪の被害者の32%は20歳以下の未成年者だということが分かった。白書によると、性的暴行の被害者のうち16-20歳が19.3%、13-15歳が5.3%、7-12歳が6.9%で、6歳以下の被害者も1%を占めた。

 京畿大のイ・スジョン犯罪心理学科教授は、「インターネットなどにあふれているわいせつ物や売春をはじめ、テレビにまで蔓延(まんえん)している青少年や子供の性商品化の風潮が主な原因となっている。児童ポルノを所持しているだけでも処罰される米国のように、子供・青少年に対する性犯罪根絶のため、政府の断固とした意志が必要だ」と語った。

 性犯罪の発生件数は02年に9435件だったのが、04年は1万1105件、06年は1万3573件と増え続けており、08年には1万5094件に達した。6年で60%も増加したことになる。

柳井(リュ・ジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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