名古屋国際女子マラソンで、両手を広げ優勝のゴールテープを切る加納由理=瑞穂陸上競技場(代表撮影)
「名古屋国際女子マラソン」(14日、名古屋市瑞穂陸上競技場発着)
昨年の世界選手権(ベルリン)7位で31歳の加納由理(セカンドウィンドAC)が2時間27分11秒で初優勝した。92年バルセロナ、00年シドニー両五輪の1万メートル金メダルで37歳のデラルツ・ツル(エチオピア)が2時間28分13秒で2位に入り、大南博美(トヨタ車体)は2時間28分35秒で3位。初マラソンの伊藤舞(大塚製薬)が4位と健闘し、脇田茜(豊田自動織機)は6位だった。日本陸連は16日の理事会でアジア大会代表の男女各2人を決める。
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ゴール直後、加納はタオルで何度も目頭を押さえた。優勝候補として臨んだ今大会。「プレッシャーで寝られないこともあった」と打ち明ける。重圧から解き放たれ、抑えていた感情が一気にあふれ出た。
勝負どころは32キロ手前。坂の手前からペースを上げ、上りきったところで一気にスパートした。「ハーフ(マラソン)で強い選手が多いので、30キロまでは我慢しようと思った」という冷静な読み通りの展開だった。
07年に北海道マラソンで優勝。昨夏の世界選手権で7位となったが、指導する川越監督は「彼女にとっては不本意な成績だった」と話す。負けず嫌いの加納にとって、今回の優勝も「一段階上の世界」と戦うためのステップ。「より良い結果を出して世界選手権や五輪に行きたい」とさらなる飛躍を誓った。
(2010年3月16日)