2010年3月15日
老後の生活で頼りにできるのは、年金より貯蓄――。今の大学生の多くに、こんな意識が広がっていることが、投資信託運用会社のフィデリティ投信のアンケートでわかった。また、現行の年金制度の仕組みも8割前後が知っていると回答。若者層は「分かっているけど、信じてない」という厳しい年金観をもっているといえそうだ。
国内の大学2〜4年生にインターネットで今年1月に調査し、2234人が答えた。
制度の理解度を尋ねた質問では、加入者が保険料を払う「社会保険方式」については85%、現役世代が今の高齢者層を支える「世代間扶養」は77%が、それぞれ「知っていた」と回答。そのうえで、退職後の生活費で一番頼りになる収入源を聞くと「貯蓄など、自助努力で蓄えた資産」が65%でトップ。17%で2位の「公的年金」を大きく引き離した。
退職後の生活費の準備をいつから始めるかについては80%が、学生時代を含め30代までに始めると答えた。
日本全体の将来観も尋ねたところ、「夢や希望を持てる」は36%、「持てない」が65%。持てない人に理由(複数回答)を問うと、「財政赤字が深刻化し若年世代に過重な負担がかかる」が72%。「世代間格差がなくならない」55%、「安心して暮らせる福祉社会は実現しない」43%などが続いた。