福岡県内で英会話学校を経営する福岡市の米国人の男(69)=児童買春・ポルノ禁止法違反罪で起訴=が教え子の女児にわいせつ行為をしたとされる事件で、周辺住民が数年前から「男が女児を家に連れ込んでいる」などの情報を地元駐在所に伝えていたことが15日、分かった。警察が男を不審者として把握していた可能性が浮上したことになり、地元からは「警察がきちんと対応していれば被害は拡大しなかったのでは」との声が上がっている。
住民男性によると、約7年前、この駐在所から「男がよく女児を家に連れて帰るとの情報があるので、気が付いたら連絡をしてほしい」と注意を促された。男性はその後、男が女児と近所のスーパーで一緒に買い物をしたり、自宅周辺で車に乗せたりしているところを見たほか、近所の住民から「男が女子生徒の写真を撮っている」などの話を聞いたという。
男性は男に「何をしているのか」と尋ね、男が「これは私の英会話の生徒。安心してください」と答えたこともあった。男性はこうした目撃情報や男とのやりとりを年に数回、駐在所に伝えていたという。
県警少年課は「事実関係を調査中。仮に情報を把握していたのであれば、事件を防げなかったことは遺憾」と話している。
捜査関係者によると、男は福岡市内の自宅で、教え子の女児にわいせつな行為をしたとして、今月上旬に逮捕された。10年以上前から、女児ら数十人にわいせつ行為をしていた疑いが持たれている。
=2010/03/16付 西日本新聞朝刊=