鳩山邦夫元総務相が離党届

　自民党の鳩山邦夫元総務相（６１）は１５日午後、新党結成を目指すことを理由に執行部に離党届を提出した。園田博之幹事長代理（６８）もこの日、大島理森幹事長に役職辞任を申し出、了承された。２人はいずれも党の現状を批判、園田氏もこれまで将来の新党結成に言及している。

　両氏の新党に向けた動きが具体化するかは不透明だが、閣僚経験者の離党や党幹部の役職辞任は谷垣禎一総裁ら執行部に深刻な打撃で、“谷垣降ろし”が活発化する可能性もある。

　大島氏は党本部で緊急記者会見し、地方出張中の谷垣氏に電話報告したことを明らかにした上で、近く党紀委員会で鳩山氏への対応を決める考えを表明した。谷垣氏は鹿児島市内で記者団に「（離党届は）やむを得ない」と述べた。離党が認められれば野党転落後、現職議員の離党者は６人目。衆院議員では初。

　邦夫氏は都内で記者団に、鳩山政権を「この国が滅びの道に入っていく最悪の事態だ」と批判。「自民党を敵にするのではない。自民党の力だけでは食い止められないから、同志を募って新しい強力な野党として頑張るのがいいと判断した」と説明した。ただ党内では首相と同様に実母から多額の資金提供を受けていたことへの批判の声が上がっていた。

　邦夫氏の実兄の鳩山由紀夫首相は１５日夕、「弟もいろいろ考えた末の行動だとは思うが、弟は弟だ。連携は考えていない」と記者団に述べた。民主党の小沢一郎幹事長も記者会見で、連携を否定した。

　執行部批判を強める与謝野馨元財務相への同調を表明していた園田氏はこの日「党内融和ばかり考えると何もできない。執行部を一新して次世代にどう引き渡すか（が重要だ）」と強調した。離党や新党結成には触れなかった。

　邦夫氏は現在１１期目。１９９３年に自民党を離党し、民主党などを経て２０００年に復党。安倍内閣で法相を務め、麻生内閣では総務相に就任したが、日本郵政の社長人事をめぐる混乱を理由に事実上、更迭された。福岡６区選出。園田氏は当選８回。９３年に自民党を離党し、新党さきがけに参加。村山内閣で官房副長官を務め、９９年復党した。熊本４区選出。

（2010年3月16日00時07分  スポーツ報知）

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