2010年 03月 12日
A Looming Radiation Crisis? (No.59 2010 January) 米国における電離放射線被曝に関する新規報告書は、脊椎の画像検査、特にCTスキャン、X線、核医学検査を慎重かつ責任を持って使用することの重要性を強調している。そのことが生命を救う可能性がある。 医療界全体に衝撃を与えた米国放射線防護測定審譲会(National Council on Radiation Protection and Measurements:NCRP) の新規報告書によると、2006年には米国民の医療処置による電離放射線被曝量は、1980年代初めの被曝量の7倍に達した(NCRP,2009を参照)。 報告書を作成したNCRP委員会の委員長であるKenneth R.Kase博士によると「被曝量の增加はCTおよび核医学検査の利用増加が主な原因であった」。「これら2つの画像法による被曝は、米国民の全被曝の36% および医療被曝の75%を占める」とKase博士はNCRPウェプサイトで発表された声明で述べた。 1980年代初め、医療被曝は米国における電離放射線への全被曝の約15%を占めていた。NCRPによると2006年にはそれらが48%を占めた。 この報告書に刺激され、画像法および核医学に関心のある放射線学会および他の専門学会が立て続けにプレスリリースを発表した。それらの報告書は、大部分の画像検査法には重要な利点があることを極めて正確に指摘している。 「医用画像の途方もなく大きな否定しがたい利点について熟考することもなく、米国民に対するリスクの増大としてのみ報告書を解釈しないようにすることが肝要である」 と、米国放射線学会(American Col_ lege of Radiology:ACR)Board of Chancellorsの委員長であるJamesH.Thrall博士は述べた。「患者は、利用可能なすべての事実および医師との話し合いに基づいて、画像検査に関するこれらのリスク/ぺネフィットを判断しなければならない」(AcR.2009 を参照)。 しかし、脊椎医療および医療全体において、少ないけれども相当数の画像スキャンが医学的に必要ではない可能性があるということも事実である。被曝に関連するリスクを考えると、不適切な画像検査の割合を抑えることが不可欠である。 New England Jounal of Medicineで発表された2007年の研究は、CTスキャンに関連する放射線被曝のみでも、米国のすべての癌の最大2%の原因となっている可能性があると結論づけた。したがって、これは制限を加えることによって生命を救える可能性のある分野である (Brenner and Hall, 2007を参照)。 米国では少なくとも政府が助成する医療保険制度においては、近年、画像検査の実施件数とその費用は、医師が指示した他のほぼすべての処置よりも急速に增加した。 2000年から2006年にかけて、画像検査のためのMedicare支出は36億ドルから76億ドルにまで増加し、1年あたり平均17%の増加であった(Iglehart JK,2009を参照)。 画像検査に関連した市場は急速に拡大し、特に医師が所有する院内画像検査の利用は目覚ましく增加した。 Medicare記録によると、1998年から2005 年までに医師が自分の診療所で行うよう指示した(self-referred)院内CT、MRI、および核医学検査の件数は、すべての状況で実施された同様の検査の3倍の速度で増加したとACRは報告している。いくつかの研究は、これらの院内画像検査の半数は医学的に必要ではない可能性があると示唆している (ACR,2009を参照)。したがって、患者の福祉を危険にさらすことなく、抑制できる余地が十分にある。 この増大する危機に対して、単なる抑制を超えた種々の解決法が考えられる。以下に引用したACRの声明は、被曝の増加へと向かう医療および社会の動向に対抗するためのさまざまな戦略的選択肢について述べている。医療目的の放射線量に関する2007 年のACRの公式報告書では、総合的な医療被曝の削減を目的とした33項日の具体的勧告を提示している (ACR,2007を参照)。 しかしおそらく、脊椎医療における最善の方法は科学的エビデンスに注目し、特に画像検査の使用の節減を奨励する、エビデンスに基づく責明なアルゴリズムに留意することであろう。 画像検査のためのMedicare 支出は2000年から2006年にかけて36億ドルから76億ドルにまで増加し、1年あたり平均17%の増加であった。 (加茂)そもそも殆どの痛み・しびれは脊椎医療ではないんだよね 「脊椎の悪性腫瘍、感染症、骨折、リウマチ」に伴う痛み以外は脊椎は無関係。 かゆみは脊椎医療ではないだろ。 2010年 03月 09日
2010年 03月 06日
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=1037546700&fr=chie_alert_editans Yahoo知恵袋に私のHPについて議論している整形外科医がいらっしゃいましたので、こちらで反論します。 昨日の画像診断に関する論文でもお分かりのように、流れが変わる潮目なのです。科学的に何が真実なのか見極めていく必要があります。 神経が圧迫を受けると痛みやしびれが生じるという生理学上の事実はありません。 「痛み・しびれ」と「麻痺」は逆の現象です。 ヘルニアがなくても同じような痛み・しびれのことがあります。 痛みの本態は筋肉の攣りです。 ヘルニアはその結果の可能性はありますが原因ではありません。 手術をしても治らないことがしばしばあります。 手術をして治ることがあるのは、筋肉の攣りが取れたということで、心理的な要素や全身麻酔の効果など複雑のものでしょう。 杉良太郎さんは3回ヘルニアの手術をして4回目も考えたが止めてカイロで治ったと新聞で書いていらっしゃいます。 手術をしてもしなくても経過は変わりがないという論文はあります。 とんでもありません。正常な神経を圧迫したら、ひどい痛み・シビレが起こりますよ。局所麻酔で手術していて、うっかり正常な神経を押さえたり避けたりすることがあるのですが、そうすると患者さんはかなりの痛みを訴えます。 このようなことはありません。うっかり神経に針を刺したりすると、ピクッと痛みが走りますが、正常な神経を圧迫しても痛みは生じません。 神経線維に針を刺せば当然一過性の脱分極が生じます。圧迫を加えても脱分極は生じません。 手術を経験したことがある人ならこのことは分かると思います。骨折などの手術で神経や血管を勾やガーゼで避けることがありますが痛みは生じません。 足裏やお尻、あるいは背中の神経は常に圧迫を受けているわけです。 生理学者に聞いてみなさい。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1237574952 しかし症状がひどいために麻痺が起こっていたり、社会生活ができないほどの患者さんを手術した経験から申し上げますが・・・・ 神経性麻痺は手術適応です。 しかし、それが本当に神経性の麻痺なのか? 神経性の麻痺は馬尾症候群です。48時間以内の手術が必要です。 馬尾症候群は 急激な筋肉の痙攣(強い痛み)→大量のヘルニア塊→神経を絞扼→麻痺 このような症例は極めて稀です。 一般にヘルニアのせいで麻痺がおきていると思われているのは筋肉の痛みのせいでよく動かせないのです。拇指の伸筋の筋痛のために背屈力が低下していることがあります。 整形外科医の特徴として「痛み・しびれ」と「神経性麻痺」を全く生理学を気にしないで述べることです。味噌と糞の区別がつかない。 「痛み・しびれ」と「神経性麻痺」は生理学的には逆の現象です。 ヘルニアによって下肢が麻痺した人をみたことがありますか?坐骨神経麻痺で身体障害になった人をみたり聞いたりしたことがありますか。 激しい痛みの人は筋肉が激しく攣っているのです。筋肉の攣りが治まれば治ります。 トリックにひっかかるな! ヘルニア・脊柱管狭窄症ではBで生じた痛みの信号(神経線維の途中で電気信号が発するのを異所性発火といいます。正常な神経ではおこりません)が脳に向かいます。 脳は到着した電気信号を認識するのですが、それがBから来たとは認識できず、下腿Aやお尻から来たと誤認するということなんです。 こんなことあなたは信じますか? この説に従えば、圧痛点があってはいけないのです。 たとえばAを押さえた時に「痛い!」と感じたとしたら Aを押さえた時にBから電気信号が生じて脳Cに向かうということになるのです。トリックを暴くとこういうことになります。 Aを押さえた時になぜBから電気信号が生じるのか? こういうことをしっかりと説明しなければならないのです。 「手術をして治った、だからヘルニアが原因だった。」こんなことをいっても無駄なのです。 ヘルニア説の先生も「原因追究にこだわらず、痛みをはやく止めることが大切だ。それが慢性痛を防ぐことになる。」と少しずつ方法転換にあるように見えます。 ヘルニアが痛み・しびれの原因だとするには生理学的にも臨床経過からも、また疫学的観点からも到底説明のつかない代物です。 2010年 03月 05日
THE BACKLETTER No.59 Junuary 2010 Routine Imaging for Low Back Pain:Through a Glass Darkly 画像検査は診断過程を明確にすると思われているが、腰痛分野の進歩を確実に妨げていることが立証された。特に米国における脊椎医療では画像検査の過剰使用と誤用が、腰痛患者に不利益をもたらしているというエビデンスが多く認められている。 腰痛の画像検査は慎重かつ賢明に、エビデンスに基づいた適応のある場合にのみ実施すべきであるという点で、科学的ガイドラインとアルゴリズムは一致している。それにもかかわらず実際の医療現場では、決まりきった画像検査を支持する意見に押されて、これらの注意深いアルゴリズムは無視されていることが多い。 画像検査が不適切に実施されると、疼痛の発生源を特定できない。むしろ誤った可能性を引きずって診断を進めることになる。患者の恐怖心や不安を高め、患者と医師の行動に影響を及ぼし、的外れな治療へと導く結果になる。 過去15年間の一連の研究において、明らかな適応のない場合の決まりきった画像検査では、診断や予後予測に役立つ情報は得られないことが示唆されてきた。そして今回、新しい体系的レビューとメタ解析から、決まりきった画像検査の役割に関する一層有力なエビデンスが得られた。 Oregon Health and Science UniversityのRoger Chou博士らは、腰痛に対してすぐに腰椎画像検査(x線、MRIまたはCTスキャン)を行う場合と、すぐに画像検査を行わない通常の診療を比較した6つの無作為比較研究(RCT)について、変量効果モデルを用いたメタ解析を行った(chou etal.,2009を参照)。 結果は明らかであった。「背景にある重篤な病態を示唆する所見のない腰痛に対する腰椎画像検査は、臨床アウトカムの改善につながらない。したがって臨床医は、背景にある重常な病態を示唆する所見のない急性または亜急性腰痛の患者には、すぐに決まりきった腰椎画像検査の実施を控えるべきである」と研究は結論づけた。 認識できる利点なし 患者は通常、確実な診断とアウトカムの改善につながることを前提として、画像検査を希望する。それにもかかわらず筆頭著者のChou博士によると、新たに行ったメタ解析の患者の場合、決まりきった画像検査は認識できる利点につながらなかった。 「我々の研究は、腰痛患者に決まりきったX線またはMRI検査を実施することが疼痛、機能、または不安感の改善につながらないことを示している」とChou博士は述べた。生活の質(QCIL)は改善されなかった。 決まりきった早期画像検査は利点の明らかになっていない診断方法であるが、重大な欠点がある。「他の医学的介入と同様、画像検査にはリスクが伴う」とchou博士は述べた。「腰椎のX線またはCT検査による放射線被曝(次の記事を参照)に加えて、これらの検査には費用がかかり、その後の診療にも影響する。手術をはじめとする不必要な侵襲的処置もそれに含まれる」。 アウトカムの悪化傾向 「我々の研究では、決まりきった画像検査を受けた患者は[研究期間中に]アウトカムが悪化する傾向すら認められた。なぜこのようなことが起きるのかはわからないが、画像検査が患者を安心させるのではなく、偶発的所見に対する心配をさせてしまった可能性がある。これが原因で、おそらく腰の健康維持に最も重要な運動や活動的な生活を続けることを、患者が止めてしまう可能性がある」とChou博士は述べた。 共著者のRichardA.Deyo博士も、不適切な画像検査に関連するリスクを指摘している。「私はやはり画像検査の過剰使用は過剰治療を促進する重要因子だと思う」とDeyo博士は述べた。 博士はこのレビューで考察した2研究を指摘している : 「Denise Kendrick博士らによる決まりきったx線使用に関する英国の研究とMRIに関する我々自身のRCTは、 決まりきった早期画像検査がそれぞれ医師による診察および手術の增加につながり、アウトカムは改善しないことを示唆した」(Kendrick et al.,2001;Jarvik et al.,2003を参照)。 「私は画像検査によって明らかになった異常の多くは、症状の原因ではない可能性があるにもかかわらず、画像検査があらゆる介入を正当化しているのではないかと懸念している。しかし、目に見えるエビデンスは患者と医師の双方にとって説得力がある」とDeyo博士は付け加えた。 医師の役割は何か? 画像検査の過剰使用は、確実な診断を要求する患者が原因だと非難したくなるかもしれない。しかし、医師も過剰使用を助長する重要な役割を果たしている。 これまで脊椎医療は、画像検査の有痛性異常の同定能力を過信し、何度も危うい経験を重ねてきた。 今でも、決まりきった画像検査は老化した脊推に一般的にみられる一連の変性性変化の中から、疼痛の重要な発生源を同定するのに役立つという誤った考えを抱いている医師がいる。 しかし、これらの一般的な画像上の変化を腰痛と結び付けるエビデンスは、どう見てもあいまいである。 症状と画像所見との関連性は弱い 「椎間板変性疾患、椎間関節症、さらには椎間板へルニアまたは椎間板膨隆のような一般的な画像所見と、腰痛との関連性は非常に弱く、無症候性の所見を症候性の所見と見分ける方法はない」とChou博士は述べた。 「大部分の患者に [これらの不確実な画像検査所見に基づき]特定の診断名をつけることが、治療方針や標的を決めるのに役立つ、あるいは患者の症状を改善するのに役立つというエビデンスは存在しない。実際に我々は患者に診断名をつけて、健康的な活動が腰に与える影響についての不安または恐怖心をかき立てることによって、悪影響を及ぼしている可能性がある」と博士は述べた。 自己防衛的な画像検査が依然として一般的である 画像検査は別の種類の恐怖心に対処するために行われることもある:すなわち、医師が「何かを見落としている」のではないか、これが治療成績の不良および医療過誤訴訟につながるのではないかという恐怖心である。最近の調査によると、自己防衛的な画像検査が米国では非常に一般的に行われているようである。 Chou博士は、医師はここ数年間に作成されたエビデンスに基づくアルゴリズムとガイドラインを信頼すべきだと示唆している。もし臨床医がこれらのアルゴリズムに注意深く従うなら、重篤な病態を見落とす可能性は低い。 Chou博士によると、「腰痛を取り巻く状況はかなり独特であり、さまざまな画像検査法に関連する臨床アウトカムを評価した質の高い無作為比較研究がある。これは珍しいことである。何故ならば、大部分の診断検査の研究は、臨床医が検査結果を知りこれらの結果に基づいて行動した時に現実に患者に何が起きるかということよりも、むしろ感度や特異度のような中間的アウトカムに焦点を合わせているからである」。 「したがって、我々がもっている工ビデンスは非常に強力であり、これらのガイドラインに従うことについて、より大きな確信を医師に与えるはずである」とchou博士は主張した。 「もうひとつの重要な点は、見落としてしまった癌のような重篤な病態を探すために患者を追跡調査したすべての研究の中で、(見落とした)症例が1例でも見つかったものはなかったということである。これは、一旦、「危険信号」の評価を行いそれらが検出されなければ合併症のリスクは非常に低いことを示した大規模な観察研究と一致する」と博士は述べた。 RCTのメタ解析 Chou博士らは、腰痛/下肢痛の患者において決まりきった腰椎画像検査(または画像所見の決まりきった提供) をすぐに行う場合と、すぐに腰椎画像検査を行わない(または画像検査結果を提供しない)通常の臨床診療を比較したRCTを同定するため、広範囲の文献検索を行った。 1,804例の患者が含まれる6つのRCTが選択基準を満たした。6研究のうち5研究は米国または英国で行われた。6番目の研究はインドネシアで行われた。それらの研究の大部分の被験者には急性または亜急性の腰痛があった。研究の追跡調査期間は3週間から2年までの範囲であった。 研究では次のアウトカムのうち、少なくとも一つが報告されていなければならなかった:疼痛、機能、精神的健康、生活の質、患者の満足度、または患者が報告した全般的改善度である。 すぐにx線検査を行う場合と、x線検査をすぐには行わない通常の診療と比較した研究は4つあった: 一つの研究では腰推MRIまたはCTをすぐに行う場合と、画像検査を行わない通常の診療とを比較した。そしてもう一つの研究では、すべての被験者がすぐにMRIスキャンを受け、結果をただちに提供する群、または臨床的に必要な場合にのみ提供する群に無作為に割り付けられた(Deyoet al..l987:Dials and Kalim. 2005:Gilbert et at..2004:Kendrick et al., 2001:Kerr、・et at..2002:Modic et aI.,2005を参照)。 研究者らは、修正されたCochrane Back Review Group基準を用いて研究の質を評価した。半数の研究は「比較的質の高い」研究方法を使用したと評価された。それらは8項目のCochrane基準の半数以上を満たした。 メタ解析、その長所および潜在的短所の詳細は研究を参照されたい。 短期的または長期的な利点はない Chou博士らは、短期的または長期的な主要アウトカム評価項目において、早期画像検査の利点を見いだすことができなかった。「他のアウトカムには有意差が認められなかった」と博士らは述べた。 これらの結論が最もよくあてはまるのは、プライマリケアで評価を受けた急性または亜急性腰痛の患者であると、博士らは述べた。それらの研究の1つで得られた結果も、MRIまたはCTは慢性腰病の評価において決まりきった適応ではないことを示唆した。(Gilbertetal.,2004を参照)。しかし、慢性 症状のある患者における決まりきった画像検査の価値を評価するため、更なる研究が必要である。 メタ解析に含まれた大部分の研究では比較的短期のアウトカムが報告された。1年以上のアウトカムを追跡したのは1研究のみであった。 したがって手短に言うと、決まりきった早期画像検査は、危険信号または重篤な病理学的異常を示す他の徴候のない患者に対して明らかな臨床的利点があるようには思われない。決まりきった早期画像検査が臨床的に重要な病理学的異常の同定につながるというエビデンス、または効果的な治療を特定するのに役立つというエビデンスは存在しない。そしてChou博士とDeyo博士がいずれも強調したように、決まりきった早期画像検査には短期的および長期的なリスクがあるようである。 利益率はどうなのか? 决まりきった早期画像検査にはひとつの潜在的利点、すなわち経済的な利点があるように思われる。最低水準の費用償還が行われる時代にあって、院内の画像検査設備は、診療現場と医療システムに大きな利益をもたらす可能性がある。そして米国ではここ数年、医師が所有する画像検査設備が急激に增加している。 しかし、患者にマイナスの結果をもたらす評価法から収入を得ることは、明らかに難しい倫理的問題を引き起こす。そしてこのやり方が今後、重大な結果につながる可能性もある。 もし医師が不必要な画像検査を削減しなければ、費用支払い機関がこれらの決定を他の機関にまかせる道を開くことになるだろう。The WallSt.Joumalに最近掲載された報告は、費用支払い機関が画像検査の決定について大規模な再調査を行うため、すでに「放射線利益企業(radiology benefit companies)」を利用していることを示唆した。 米国では約9,000万人の消費者がこれらの企業の管理対象になっている。費用支払い機関には独自の業務上の優先事項があり、これらは必ずしも患者と医師の最善の利益と一致しない。したがって、もし画像検査の決定が今後も科学的エビデンスの十分な理解に基づいて、医構、現場で医師と患者が協力し合って行われるならば、そのほうが望ましいことであろう (Mathews,2008 を参照)。 ・確実な診断を求める患者へのメッセージ:決まりきった早期画像検査は確実な診断または疼痛、の質の改善にはつながらない。 ・画像検査の明らかな適応のない患者において特定の診断を追求することに関心のある臨床医へのメッセージ:腰痛と一般的な画像所見との関連は弱く、症候性の所見と無症候性の所見を効果的に見分ける方法はない。 訴設を態念する臨床医へのメッセージ:医師は、エビデンスに基づくガイドラインとアルゴリズムが、重常な病態の危険信号を同定し、脊椎の画像検査に対するエビデンスに基づく段階的アプローチを可能にすると確信できる。 2010年 03月 04日
1995年 日本チバガイギー社(ボルタレンの会社;今は社名が変わっています)からいただいた小冊子にFMが紹介されています。私がFMを知ったのはこれによってです。まだパソコンはありませんでした。 2010年 03月 03日
間欠性跛行・・・・歩行により下肢痛がおこり連続して歩行することができない。休憩するとまた歩行が可能になる。 ●①血管性間欠跛行・・・下肢閉塞性動脈硬化症があり、筋肉にいく血行が運動により需要が大きくなり相対的欠乏におちいるため。 ●②神経性間欠跛行・・・脊柱管狭窄症により神経が圧迫を受けているため。 この説明は間違っていると思っている。 筋肉そのものに原因があるものと思う。神経が圧迫を受けるとその支配領域に痛みやしびれが生じるという生理学的事実はない。 術後よくならないことがよくあるが、「神経が長く圧迫を受けていたので時間が薬」と説明されることがある。 この説を信じるなら、間欠跛行があるということはそのつど神経が回復しているということで、手術で徐圧したなら必ず回復しなければならない。。圧迫を解放してもよくならない場合、時間薬ということはあてはまらない。 間欠性というのは「一服すると治る」ということで、これは筋肉の特徴だと思わないかい。 神経線維にそのような特徴があるとは思えない。 ①は正しいが結局これも筋性なのだ。筋肉への血流不足が根本にあるので早期に筋肉の疲労がおきるのだ。 ②は根本的に間違っていると思っている。 たとえば・・・ 鉄棒にぶらさがることを想像してみよう。 5分間ぶらさがっていたら腕がしびれ・痛みでギブアップしたが、一服するとまたぶら下がることができる。・・・・間欠性ぶらさがり 「若い時は30分ぶら下がっていることができたが、最近が5分もぶらさがるとしびれや痛みで一服しなければならない。」 このようなことは容易に想像できるが、頚で神経が圧迫されているからだと思うか? そんな馬鹿な! 人生を送るといろいろな筋肉が「ワケあり状態」になる。そのために間欠性の行動が生じる。このように考えるのが最も合理的なのだ。 この問題に関して、第一人者といわれている医師の書いているものを読むが合理的に説明がされていなく到底納得できるものではない。 患者さんもそう思っている人がとても多い。 「私もあの説明はおかしいと思った。先生(私のこと)の説明が最も納得ができるし、やっぱり私が思っていた通りだ。」 このようにいう患者さんは多い。 間欠性跛行は「筋性間欠性跛行」で。閉塞性動脈硬化症を基盤にもつものとそうでないものがある。 このように医師を教育すべきだ。 むだな検査、むだな治療、よくならない患者さんがいかに多いことか。 2010年 03月 03日
2010年 03月 01日
昨年末、寒いときに歩いたせいか、お尻や左下肢に痛みが生じました(図)。 整骨院に通院しましたが、改善せず、病院を受診しました。 MRIで4・5間の脊柱管狭窄症と診断されました(大学病院)。 医師はジワジワ悪化するだろうと説明したとのことです。Aさんはそれは困ったと手術を考えました。 娘さんがインターネットで検索して当院を受診されました。 初診時の医療費は1割負担で680円でした。 2日後再診されたときは、痛みがかなり改善してニコニコ顔でした。当然手術はキャンセルです。 脊柱管狭窄症で痛みが生じるという理論は間違いだと思っています。 痛みの本態は筋痛症(筋肉のspasm)です。 手術をしても痛みが改善しない方はいっぱい診てきました。 納得できる理論的説明がなされていません。 たとえるなら、 「お腹が痛い」といって病院に行ったら、「胃へいっている神経が圧迫されている。このままでは胃が動かなくなるおそれがある。」 これと同じような、へんな説明だと思います。 2010年 02月 24日
きょうの健康より 脊髄症による痙性歩行、骨粗鬆症による骨折、リウマチの関節炎以外はロコモの原因は筋肉にあると思われるが、なぜか筋肉は無視されているようですね。 人間はワケあり筋を持つことによって、痛みや変形、運動機能障害に悩まされる。 2010年 02月 23日
インタビュー 米延策雄氏 原因や病態がよく分からず、治療方針がバラバラ 一般に非特異的な急性腰痛は、自然に治る場合もあり、治らないまでもどんどんひどくなるような病気ではありません。 細かい診断名をつけず、速やかに治療を開始する 腰痛診療における混乱の原因の1つは、さまざまな診断名が付けられてしまうことです。その点を整理することも、新ガイドライン策定の狙いです。 新ガイドラインでは、詳細な診断名をつけずに非特異的な腰痛という枠組み(トリアージ)に留め、速やかに痛みの治療に移るという考え方をとります。 以上、米延氏がインタビューでお話しているところから引用しました。 痛みの診断において、画像診断の意味は「悪性腫瘍、感染症、骨折、リウマチ及びその周辺の炎症性疾患があるかないか」にあります。 痛みはなるべく早く止めるべきです。 私の主張と合致しています。 |
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