添田町の添田中への統合で、3月末で閉校する同町の英彦中(高橋孝徳校長)で14日、卒業式と閉校式典が開かれた。地域の人も訪れ、54年の歴史に幕を閉じる母校との別れを惜しんだ。
同校は1947年、添田中落合分教場として開校。51年に落合分校となり、56年に独立。65年前後には3学年で300人以上が在籍していたが、現在は3年生11人、2年生7人の計18人。
11人が巣立った卒業式後に開かれた式典では、町教委の末永豊英委員長が「皆さんにおわびします。閉校に対して地域の人がどんな心情か、言葉もありません」と苦しい胸の内を吐露した。山本文男町長は欠席した。
続いて生徒18人が、学校の歴史や行事を紹介しながら閉校への思いを順に発言。「役目を終えた校章はさびしそう」、「母校に恥じない人間になるよう、しっかり歩く」などと述べ、「ありがとう英彦中」の呼び掛けに合わせて全員で「ありがとうございました」と声をそろえた。
式典後には、校門そばに設置された記念碑の除幕式もあった。分校時代を過ごした同校同窓会の矢野悦晨(よしあき)会長は「少子化などからやむを得ないが、残念としかいいようがない」と肩を落とした。
=2010/03/15付 西日本新聞朝刊=