人材の流動化と企業に関するエントリは、私の考えも尽きたので、何か動きがあるまで、
前回の記事(「一流企業の正社員」も流動化が出来る社会へ−My life in MIT Sloan)
を以っていったん寝かせておこうかと思ったんだけど、
Willyさんが面白い記事を書いてくれたんで、ご紹介がてら。
だって彼、最近はChikirinさんにご執心みたいで、最近全然あたしのところに来てくれなくて、寂しいんだもの。
(と売れないホステスみたいなことを言ってみる。)
起業したい若者に対する大人の本音−統計学+ε:米国留学・研究生活
Willyさんは、読売新聞が運営している「発言小町」という、半ば人生相談質問サイトになっているところで、
就職活動をやめて、自分で起業しようと思っている大学3年生になりきって、投稿をした。
質問の内容は、不確実な時代なので食品業界がいいと思っている。
しかし、食品業界の大企業の就職活動がバカバカしすぎてやっていられない、だから起業しようと思う。
それで、起業アイディアについて簡単に説明して意見を請うているもの。
で、それに対して様々なコメントがついたので、Willyさんはその一部を取り上げて整理している。
(回答の全容はこちら: http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2010/0311/300770.htm
面白いので是非読んで欲しい。)
こういうウソ投稿がいいのかどうか、というのはともかくとして、
最近はずっとアメリカにいる私が一番驚いたのは、
「たかが企業にも就職できない人が、起業して成功する訳がない」
「本当にそんな覚悟はあるのか?」
「起業するのはいい考えだと思うけど、すごく大変だよ?」
「逃げてる気持ちでは、起業は成功しません」
という反応が全体的にかなり多いことだった。
で、Willyさんが、ご自身の記事でこの点については全く展開されていないから、私が書いてみることに。
1. 企業に就職するのは面白くない、上司が嫌だから、というのは起業動機として不十分か?
2年もアメリカに住んでいると−しかもボストンだのシリコンバレーだの、起業家の街に住み、
そのコミュニティの中核であるベンチャーやビジネススクールで働いてると、
「上司に仕えるのは嫌だ」という「逃げてる」理由で、起業する人をたくさん見かけるので、それが普通になる。
以前MITに講演に来たシリアルアントレプレナー(複数の起業を起こした人をそう呼びます)の人は、
「最初に起業した理由?そんなの最初に入った会社の上司がクソだったからだよ。」
と言っていた。
で、会社を辞めてプーになったので、生活のために何かしなくてはならない、
で一生懸命アイディアを練ったのだそうだ。
とにかく大きな組織が嫌いだそうで、自分が起業した会社も、だんだん大きくなってくると嫌になるそうだ。
だから、大きくなったら人に譲って、新しい会社を作る。
彼は、今ではボストン界隈ではかなり名の知られたシリアルアントレプレナーである。
「それは彼がそんな才能がある人だったから成功したんでしょ?普通は・・・」というかもしれない。
しかし、彼だけでなく、起業して成功した人も、失敗した人も、失敗の後成功した人も、同じことを言う。
私がボストンやシリコンバレーで会ってきた100人以上の起業家や学生の5割は
「会社づとめが嫌い」「大きな組織が嫌い」という理由で起業を考えていた。
(残り5割は、「縁があった」「そのほうが儲かると思った」「技術が大企業にRejectされた」など)
起業するのに、そんなすごい理由や覚悟は、本来必要ないはずなのだ。
やっているうちに、徐々にやりがいとかが見えてきて、理由が見つかってくる。
社員を何人も抱えるうちに、覚悟が生まれてくる。
そういうもんじゃないの?
ところが、大企業に就職し、出世街道に乗ることが成功と認定される日本の「世間」では、
その道を外れることに、最初から相当の覚悟と理由を強いられる。
それだけの覚悟なしに、若者が起業したいというのは「甘い」「逃げている」と思われる。
これが「発言小町」の反応に凝縮されていたのではないかと思う。
コメントに「起業はいつでも出来ますが、大企業には新卒じゃないとは入れないですよ」というのがあった。
そこにも「覚悟」を強いる理由があるだろう。
アメリカだったら、起業に失敗しても、就職できるし、
ブランドが大事な超大企業に入りたかったら、一度MBAに行ってロンダリングして、入ればよい。
こういう仕組みの問題が、日本ではマッチョじゃないと起業できない理由なのだ。
2. 起業するのに、そこまで練りこんだビジネスプランや資金調達策が最初から必要なのか?
Willyさんなりきる大学三年生が提案したのは「地元の老人たちに弁当を宅配する弁当屋さん」。
これも、ボストンだったら、「ふーん、うまく行くかはわからないけど、まあやってみたら?」程度のレベルで、
別にそこまで否定するものでもない。
ビジネスとして規模拡大するのは困難を伴うだろうが、家族経営規模ならいいんじゃないでしょうか、って感じだ。
しかし「発言小町」での回答には、「資本金のこと考えてる?大丈夫?」
「そんなビジネスで本当にうまく行くの?ちゃんと考えてる?」
「そんなの凡人の私でも思いつく。大丈夫か?」
「銀行は経験のない学生にはお金を貸しませんよ?」
というものが目立つ。
その反応は、日本においては「おっしゃるとおり」だ。
かなり好意的に、真剣に回答してくれているものが多い。
発言小町の人っていい人多いじゃん、と私は思った。
つまり、今の日本は練りこまれたビジネスプランと資金調達策がなければ起業できないのだ。
ベンチャーキャピタルや起業家コミュニティみたいな、起業を手助けしてくれるリソースが余りに少ないからだ。
最初から練りこまれたプランを持ち、資金調達元が見えている人じゃないと成功しないってことなんだろう。
これが、ボストンやシリコンバレーだと、もっと敷居が低くなる。
私はMITで$100Kビジネスコンテストの主催者を一年間やってきて、色んなビジネスプランを見て、
エレベータピッチを聞いてきた。
ボストンのベンチャーキャピタルや起業家を審査員として招いて、審査してもらう。
そこに出てくるビジネスプランは、大方たいしたことがない。
そこからどうやってプロの審査員が選ぶかと言うと、「業界の見方がセンスがある」
「この学生にはカリスマを感じる」という理由だったりする。
もちろん中にはビジネスプランの素晴らしさや、技術力で選ばれるものもたくさんあるが、もっとポテンシャルを見ている。
何故なら、ビジネスプランを練りこむなんてのは、プロがたくさんいて、いくらでもサポートしてあげられるからだ。
$100Kでも、採用されたチームは、ベンチャーキャピタルのプロや起業家がアドバイザーとなって、
ビジネスプランを練ってあげる。
こうしてプロの力を得て、学生のつまらないビジネスプランが、光り輝くものに育っていったりする。
で、最終的に良いものに仕上がれば、お金もつぎ込んであげる。
これは、Stage AなどのEarly stageを対象とするベンチャーキャピタルが、投資決定をする際も同様だそうだ。
もっと、その人に光り輝く何かがあるか、センスがあるか、起業家として育てられるか、と言うところを見て決めるらしい。
で、ちゃんとお金もつぎ込む。
だから、こういう起業家の街に住んでる私は、いちはやく日本にもベンチャーのコミュニティや真のベンチャーキャピタルを作らなければ、と思うのであった。
(もっとも、弁当屋の起業くらいだと、規模も小さいのでベンチャーキャピタルは入ってこないけどね(笑))
3.起業するのに、財務・経営能力人を使った経験が最初から必要なのか?
これも同様。
引用はしないけど、「発言小町」には大学三年生の経営者としての経験に疑問符を持つ人が多いようだ。
そして、日本なら、それはYes、なのだ。
一方で、人を使った経験がないなら、人を使った経験がある人を雇えばいいんじゃないか、
財務が分からないなら、財務が分かる人を雇えばいいんじゃないか、というのが、
恐らくアメリカの起業家の回答だろう。
Willyさん扮する大学三年生は
「自分は料理は出来ないが、愛犬散歩仲間にパート先に困っているベテラン主婦がいるから一緒にやろうと思う」
と書いているが、まさにこの発想。
しかしながら、年功序列の社会で、色んな経験と知識がある人が、
経験は余りないがアイディアやエネルギーあふれる若手経営者の元で働くってことが考えられない日本じゃ、中々受け入れがたいのかもしれない。
別にアメリカだって、年功序列じゃないけど、年齢が低いとバカにされるって多々ありますよ?
だから、若手起業家はひげを生やしたり、少しでも年上に見られるようにするし、
みんな年齢をひた隠しに隠します。
アメリカの起業家コミュニティじゃ、女性に対してだけでなく、男性に対しても年齢に関する質問はご法度です。
それでも、「この起業家と一緒にやれば可能性がある」と言う人には人がつくんです。
それに、弁当屋だったら最初は家族経営だし、そこまで考えることないよね?
話がずれたけど、そんなすごい経験がなくても、別に起業はできるわけです。
日本でも学生で起業して成功してる人たち−「はてな」とか「Mixi」とか、みんなそうでしょ?
日本で「経験がないから」「資本金がないから」「十分な技術がないから」起業できない、と言ってるのを見るにつけ、
私はバングラデッシュの女性たちが、同じ理由で起業できずいつまでも貧乏なままだったのを、
グラミン銀行が「マイクロファイナンス」を始めたことで、機織りとか籠あみで起業できるようになり、
村の経済が活性してきたのを思い出す。
(日本の「起業しにくさ」は途上国レベルだって話デスよ。)
早く既存の「世間体」や旧来の資金調達の仕組みを破壊し、新しい技術・資本・人材の生態系をつくるですよ。
失敗してもいいじゃない。
まずはチャレンジしてみれば。
ボストンでもシリコンバレーでも、別にそんな失敗を恐れず、大したことない凡人が起業してる。
もちろんたくさんの人が失敗するけど、いろんな人に支えられて成功する人もいる。
そういうことが出来る、仕組みや、人々の心の受容性などがあるわけだ。
「凡人でも、マッチョじゃなくても起業できる国にする」
これが、今後の日本の経済成長の鍵のひとつだと思う。
そんなこと言うと本気にしちゃいますよ?(僕はクラブにはいけないタイプだなあ。)
あんなネタ記事を持ち上げて頂いて有り難い半面、「My Life in MIT Sloan」の品位が落ちないかどうかが若干心配です。実はあの記事、ユニークアクセスより「はてブ」の方が多くて謎です。ネット上の情報ってほんと当てになりませんね。起業や流動化の話は私もいくつか真面目に書きたいと思ってるんですが、最近、変化球ばかり投げているので直球の投げ方を忘れつつあります。
最低レベルの生活の維持にすら相当のお金がかかるので簡単に再起不能になります。再起不能者をださないためにはある程度フィルターは必要なのかも。
あと、投資と贈与の区別が構造的にないんで、駆け出しのビジネスに資金を投下するのはなかなか難しいです。IPOでもしてもらわないとエグジットできない。
しかし余裕のない人が多いなあ。面白い実験だと思うんだけど、それすら許せないマジメな方々が世の中に多いんですね。米国で同じような実験やったら叱られますかね?
それが当然と思ってましたけど
このを聞いて目から鱗が落ちました。
ある意味日本でベンチャーができにくく
できてもすぐ潰れるのはその手の会社運営のノウハウを蓄積したりできたばかりの会社に還流する仕組みが無いのが最大の問題点じゃあないのかなと。
あとは起業したベンチャーに必要な人材が集まる為には有能な人材を大企業の囲いからベンチャーに送り出すためのシステムが必要になってくるので。
自分の能力が今どの位で売れるのかを
確認できるシステムも必要になってくるとは思いますね。
どうせならこの二つを有料制にして
それで食べるベンチャーを作るというのも手かも。
>新しい技術・資本・人材の生態系をつくるですよ。
みたいな表現つかっていると読者逃げますよ。
そのコミュニティの中核であるベンチャーやビジネススクールで働いてると、
「上司に仕えるのは嫌だ」という「逃げてる」理由で、起業する人をたくさん見かけるので、それが普通になる。
こんなところに住んでる人らは普通の人よりはるかに優秀で野心を持った人らばかりでしょう。こういう人達なら様々難題にチャレンジする資格があるでしょうが凡人にはその資格はありません。冒険なんてせずに普通に就職したほうがいいでしょう。起業を肯定する人は大抵恵まれた環境で育っています。当たり前と思っていることが普通の人の範囲をはるかに超えてしまっているのです。もっともそういう人達だから困難に平然と立ち向かえるのでしょうが。ともかく起業は優秀な人ならともかく日本だろうがアメリカだろうが凡人には不可能です。逆に日本で起業がしづらいことに感謝すべきでしょう。凡人が無謀にも起業しようと思うのをあきらめさせてくれるのですから。やっぱり普通に就職すべきです。正社員になれなくても1人暮らししなければ普通に生活もできるのですから
私はカナダの片田舎に数年住んでいましたが、普通のおっさんが小さな会社を経営していて、ちゃんと成り立っていて生活してるのを沢山見てきましたよ。思い込みであたかもそれが唯一の真実のように語るのはどうなんでしょう・・・
シリコンバレーやボストンなども起業した結果、集まって来た人が多いからそうなるのであって、最初からそんなトコに住んでいる訳ではないと思いますし。
大きく成功する為にはたしかに才能や、周りに優秀な人達が必要かと思います。小さくても良いなら凡人にだって企業出来ます!
必要なのはやり抜く覚悟とそれに見合った行動ではないかと。就職しなきゃいけないわけでも、幸せの形がひとつって事もないはず・・・と思いつつ、小さな会社を経営して頑張ってます♪
色々ありますけど仕事もプライベートも楽しいですよん:)
ちなみに私は大学へ進学した事も、就職した事もございません。
日本の場合は、起業するというと「会社員から経営者になる」というように、より責任のある立場になるという印象で語られる印象がありますが、アメリカですと起業する=「組織から独立して自営業者になる」みたいな意識の方が多いような印象があります。
(大小は別として)組織の長として経営者になるのと、気楽な自営業者になるのとだと、本人はもとより周りの意識もだいぶ意識も違ってくるのでそのへんが日米との間での起業の意識違いかなぁ、と個人的には思っております。
アメリカでも、会社員を辞めてNPOの代表に就くとか、公職に就くという事を言った場合には、周囲も、その人の資質とか覚悟を求めるような意見をするんじゃないでしょうかね。
会社員しかやったことないですって人ばっかりの小町に助言を求めても未経験者の雑言にしかならないんじゃないですかね。
日本での起業なんて簡単なんですよ。大学行ってない俺でもできるんだから。
問題なのは自分で責任をとれるかどうかなんじゃないでしょうかね。
仕事持ってくることにしても、商品を売ることにしても。飯が食えないことにしても自分の責任。
というか、上司が嫌で会社やめてフリーランス始めた俺はアメリカ的なのかw
mixiやGREE、ニコニコ動画みたいな企業の集まりなんて見たことないし(あるのかもしれないけど、少なくともIT系ニュースサイトでも見たことが無い)
って・・・あなたの印象で具体性もなく、思いつきでしゃべってません?
しかも起業のジャンルがIT限定っぽいし。
#IT関連だって凡人でも起業できるが。
起業したあとが大変ってことまで踏み込まないと。
#あと「チャレンジ」って言っている箇所、ノリが軽い、軽すぎ。
先日、元某大企業の人事部に長年在籍されていた方ののキャリアセミナーに行った際の話の中に、日系企業におけるキャリアパスの失敗例として大企業からベンチャーに移り結果としてうまくいかなかったという話がありQ&Aの際に、「起業なり転職なりなんらかの形でリスクを取ってそれが結果うまくいかなかった場合は、その後の転職市場では評価されることはないのですか?」と質問したところ「プラスになることはない!」と一刀両断されました。ベンチャーなどは失敗例のほうがはるかに多いわけでこれからはLilacさんもおっしゃっる通りいろいろな人が起業しやすくなるような仕組みづくりがこの国の未来に大きく影響するのではないかと危機感を感じます。
>面白い実験だと思うんだけど、それすら許せ>ないマジメな方々が世の中に多いんですね。>米国で同じような実験やったら叱られますか>ね?
実験アイデアとしては面白いけど,解釈が無理やりなのが批判を買っているんじゃないですかね.
実験のプロセスが正しければ納得するけど,とても納得できないと言っている人に対して,それすらも社畜だとかいってますよね.正当な批判をするだけで社畜扱いとは…
米国で同じような実験をやったミルグロムなんかは大学を追放されましたね.
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0909/14/news087.html
こんなんですかね。ヤフーが投げるくらいなので、日本では存在し得ないということでしょうか。
オフラインであれば勉強会とか異業種交流会とかありますが…。
// ぼかあ貧乏暇なしなのでそんなの出る余裕ないっす
起業してダンバー数オーバーする前に辞めちゃう話も面白いですが、軌道に乗るまでの成功を生み出すコツというかセンスがあるんでしょうね。
女性ならではの直感で、他のアルファブロガが書かない、書けない深いところまで議論が進んでいると思います。
これからも楽しみにしています。
入社時に特許移譲契約しちゃったり、社畜になっていくことに疑問を抱かない(抱けない)のが今の日本だと思ってます。
私はそれが嫌だったので、知財の強い社員数名の零細環境ベンチャーに入りました。
自分が常識の反例となって示せば、いつか常識も変わるでしょうしね。
たかが起業,たかが人生,Lilacさんがおっしゃるように日本人は失敗を恐れすぎで,真面目で神経質すぎますよね.それがよい所でもあるから否定する気はないですし,真面目に頑張ることは勿論素晴しいことでそんな日本人が大好きなんですが.
でも,よしんば日本で起業して大失敗して莫大な借金をこさえて借金取りの影に怯えながら路上生活をするぐらいになったとしても,世界にいる大部分の人々よりはましな生活なはずです.
ノリが軽すぎるというご意見もあるようですが,自分としては全然構わないと思います.猛き者もついには滅びん,ひとえに風の前の塵に同じ.などと昔から言われるぐらいで人一人の人生なんてもとからそんなに重いものじゃない気がいたします.本人や家族や周囲の人達などにとって重大なことは沢山あるものですが,人間所詮できるだけのことしかできないんです.最善を尽くしさえすれば,失敗してもいいではないですか.最善を尽くせなかったのならば,それを反省して次に生かせばいいんです.どうせ人間のできることなんてそれぐらいなんですから.
とか言ってしまう自分は軽すぎですかね?
青年会議所みたいなのって若手の社長さんやら、二代目三代目、フリーが集まっている印象があります。
なかには入ったことないので、よくわからないのですが。
日本は老人が多いのが問題ですよね〜
知恵が増えて勢いがなくなるのが老人の一般的な特徴なんじゃないかな
団塊の勢いある人よベンチャーキャピタルつくってくれ
あとは我々がどうにかするんで
アメリカで起業しようとしているわけではないのでよその畑のことはわかりませんが、実際起業すると公言するとお話している趣旨がよーくわかります。
最近気づきましたが日本での企業家はドラクエで言うところの『賢者』に位置しているようです。まずは何らかの職業についてレベル20こえたらキツイ冒険してきて賢者の書取ってきたら『転職』していいよ。って具合。つまり何らかの職業についてしまった時点でレベル20を目指さなきゃなりませんから自活人生中盤以降のイベントになります。
賢者でスタートしたくてもルイーダ(レベル1)の時点で「遊び人」扱い。かまうもんかと世間の台地に降り立つが攻撃防御魔法すべてのスペックが並以下なのでドラキー程度にやられてしまいそのたびに「しんでしまうとはなさけない」とG半分とられいまや宿屋にも断られる情けなさ
もしくはゲームクリアした後のレベル40前後のパーティーに組み込み自分ひとりでは買えない防具を与え「おまえは最後列でぼうぎょだけしてろ」と、めいれい、他人の唱えたルーラでとんでもない場所に降り立ち聞いたことも無い魔法と見たことも無い必殺技を肴に湯水のように経験値を浴び、もらった賢者の書でめでたく賢者になるか。
大企業に就職した場合の独立(分社)がこれにあてはまるのかな?なにもしなくてもエスカレータ式に賢者になれますが結局コントローラーを握った人間のひまつぶしで、クリアもしてやがるから魔王たおせるまで育ててもらうわけでもなく冒険の主要メンバーにもなれず飽きたら中古(会社)ゲーム店に売られていくのでした。
遊び人が戦士や僧侶、魔法つかいをひきいて冒険できるシステムにでもならないかぎりこの国のゲームはクリアできないしくみのようです。
毎日血みどろになって素手でスライムとたたかってるあそびにんの意見です。
冷徹な分析とステキな切り返しを読むといつもドキドキしちゃう。
(そーか、私、クラブのママの才能もあったかー)
ブログと言うメディアにそもそも「品位」なんてあるのか分かりませんが、
もしあるなら、それは落としておいた方が好きなことが書けそう。
そちらのコメント欄にも書きましたが、まさにサイエンスウォーズ。
せっかくWillyさんが身を挺して実験してくださったのを、サイエンスウォーズで若手の間では意味ある議論が行われたようにしていきたいですよね。
科学哲学の学術誌にネタ論文を投稿した物理学者ソーカルは、「知の欺瞞」を書いたとき「お前が言うな、お前が欺瞞だ」とたくさんの人に叩かれましたが、
一方でソーカルの行為を褒め称え、それをきっかけに考えを深め、議論を正しい方向に持っていった人はたくさんいました。
コメントにはそうなるかどうかはWillyさん次第、と書いたんですが、
むしろ読者のリテラシー次第だなと思い直したので、この記事を書いてみました。
>実はあの記事、ユニークアクセスより「はてブ」の方が多くて謎です。
それは謎ですね(笑)考えられるのは
1.FC2のカウンタ、もしくはお使いのカウンタがちゃんと機能していない
2.機能しているがRSSのアクセスをカウントしていない
3.読んでいないのに「ブックマーク」する人がたくさんいる
4.このWillyさんのコメントも釣りである
のどれかか全部ですよね(笑)
起業するのが大変だ。と言って、リスクを取って一歩踏み出すのを躊躇してるだけでしょ。
なるほど日本は失敗した人からお金を取る、と。
それではなおのこと失敗できないから、やろうとする人も減りますね。
ちなみにIPOが至上命題になって、却って困っているのはVCに支えられたアメリカの起業コミュニティも同様です。
日本にはそれ以前にそこまでVCが機能していないのが問題ですが。
@野田一丁目さん
この手の釣ネタをマジ叱るひとはどの国にでもいるでしょう。
@七誌のごんべえさん
米国でも「起業家コミュニティ」なんて便利なものがあるのはボストンとシリコンバレー、かろうじて各大学都市に存在するって感じだと思います。
普通は自分で勝手に起業して、終わるわけですね。
コミュニティ化するほうが経済の効率は高くなるので、全ての国がトライしていますが、アメリカ以上に成功しているところは少ないですよね
@another nodeさん
「生態系」ってそんな嫌われる表現だったんですか。
「生態系(笑)」みたいな?
@まほまほさん
日本ほどではないですが、アメリカでも起業なんてせず大企業に就職するのをよしとする保守的な人たちは一定数います。
大企業のお膝元の州や都市ほどそうでしょう。
ボストン・シリコンバレー・シアトルは特別でしょう。
@小さな会社の経営者さん
コメントへのレス有難うございます。
私もそう思います。
日本だって別に美容師が美容室開業したり、シェフが飲食店開業したりという起業は日常茶飯ですしね。
金融革命で資本が流動化し、インターネットで情報が流動化してますから、後は人材ですね。
@sameさん
むしろ日本人が「起業」に構えすぎてるのかな、と思いました。
日本語の「起業」がそういうニュアンスの言葉になっちゃったんでしょうね。
大企業UPSも、少年が自転車で御用聞き、ヒューレットパッカードも少年が壊れた機械を直してあげる仕事だったわけで。
弁当屋が世界のパッケージフード企業に成長する日も来るかもしれません。
私は極度のNなので、出てくる意味合いにインサイトがあれば、小町であろうとどこであろうと良いと思っています。
ていうか、仕事で死ぬほどファクトベースやってますから、ブログくらい好きなこと書かせてよ、と。(笑)
Willyさんも恐らくそうでしょう。
しかし世の中の多くの方はSなので、インサイトがいくら面白くても、プロセスがダメだと批判する方は多いですね。
それも一理あるなぁと思っています。
いいじゃないですか、上司が嫌でフリーランス始めたって。
こうさんのように起業をされてる方が増えると良いのだろうな、と思いました。
@Unknownさん
ええ、コミュニティ作りましょう。
国も頑張ってますけどね、経産省とか。
@Appolo440さん
どうも。
賛成コメントばかりだと共産圏にいるような気分になりますので、こういうコメントもたまには良いと思います。
@Mattさん
>「プラスになることはない!」と一刀両断されました
いやー、その通りでしょうね。
記事にも書きましたが、アメリカみたいに普通に就職できたり、MBAでロンダリングできたり、というのがないですものね。
そう、MBAはロンダリング機能もあるのだ。
@Unknownさん
ああ、あなたはもしかしてWillyさんのブログで複数の名前でネガコメ書いていた方でしょうか?
ミルグロムお好きなんですね〜。
@Chatiiさん
面白い情報有難うございます。
日本でも昔はビットバレーとかありましたが、ただの友達馴れ合いで終わっちゃったのかな?
シリコンバレーのように情報だけでなく、資本や人材、技術の流動にもつながるようなしっかりしたネットワークを作れると大分変わるかもしれません
@clydemenderさん
日本よりはマシですが、アメリカでも保守的な地域とかは結構ありますよ。
ボストン・シリコンバレーは特殊だと思ってます。
@orenimoiwaseroさん
不勉強で現在の日本での解雇規制の議論をちゃんと把握していないのですが、
ちゃんと勉強したいですね。
@Unknownさん
どうもです。これからもよろしくです。
「凡人でも、マッチョじゃなくても起業できる国にする」というふうにはならないと思います。なぜならばUAI(by Hofstede)というのが高い社会だからです。不確定なことをみんなで避けようとするのです。発言小町的には「そんな危ないことして、大丈夫なの?」なわけ。
UAIが低い国にも特徴があって、偶然かもしらないけどかつて貿易で強かったか、バイキングとして海外にうって出た国がならんでいます。だからかどうかは知りませんが、新しい事業を興す事を「ベンチャー」っていうんですね。
http://keynotes.hidezumi.com/keynotes2/images/mas_uai.gif
これ80年代に流行った「日本学」でもテーマになっています。アメリカ人から見ると、日本では決まるまでごちゃごちゃしているが、だらだら議論した挙げ句一度コンセンサスが固まると一挙に物事が進む国だと考えられているみたいです。
だから一旦火がつくと猫も杓子も企業というようになるでしょう。でも自分で開拓するというよりは、人脈を使って大企業のフランチャイズ(かつての保険のエージェントとか、化粧品の販売みたいな)の形になるんじゃないかなあと思います。どうでしょうか?
銀行は既存の中小企業ですら運転資金を貸してくれませんし、事業に失敗して命(事実上の命だったり社会的生命だったり)まで取られるのが珍しくないのが日本なわけで、金融業界がリスクを他業界に押し付けるシステムになっているのが問題であり、これはもう、個人の問題ではなく日本の金融行政システムの問題かと思います。
>それは、日本にはベンチャーが成功するために必要な、資本(カネ)、技術(モノ)、そして人材(ヒト)が還流する仕組みが全くないからだ。
まず、こういう仕組みを何とかする、いわば「メタ・ベンチャー」を始めるべきってことですね。
成功をお祈りします。
@Kentoshoさん
起業がしやすい世の中になることで、日本が失う日本的なよさもあるでしょうが、
変わっていくと良いと個人的には思っています
@やまもとさん
情報有難うございます
@ららぽさん
そうですね。証券会社の、金持ってる老人をうまく言いくるめてお金を出させるスキルは使えるかもしれませんね。
まさにイノベーションとは古い技術と新しい技術の組み合わせであることが多いんですが、
日本的なVCというのはそういうのもあるかもしれませんね。
超リスキーな金融商品になりますけど。
@POKOPOKOさん
面白い例えですね。そういうの好きです。
POKOPOKOさんも相当Nですね(笑)
賢者にならないとパーティも組めないわけですね。
勇者でスタートしても、レベル20の賢者はなかなかパーティに入ってくれないとか。
私はこのようなエントリを書きましたが、現在の日本で起業するのは本当に大変だと思います。
ご成功をお祈りします。
@hennanoさん
日本でも簡単に起業できる!という方も多いですよね。
「簡単」かどうかは相対的な指標なので、そう見える方も多いのだと思います。
いずれにせよ、起業は大変だと思います。
でも案ずるより生むが易しで、やってみると案外できるものなのだと思います。
おっしゃるとおり、文化的な部分も多々ありますので、なかなか変わらないし、変えることで失うものも多々あるでしょう。
アメリカもそうだったのだと思いますね。
この国にもかつては精細なものづくりとサービスを提供する文化が東海岸を中心にあったんですよ。
それが作り途中でもバグだらけでも公開してカネにしてしまう西海岸的カルチャーが入り込んできましたね。
@WATERMANさん
鶏が先か、卵が先かわからないので、そういうビジネスは全然アリだとおもいます。
ただVCだと金が必要なので、金持ちか金を集められる人にやっていただく必要があるんですが。
小町人もそうですが、この国は小さいころから勉強以外で考えることが少ない気がします。
インフラが整いすぎてるせいですかね。
こうゆうとちょっと変かも知れませんが、子供のころから与えられることがあたりえになっているとおもいます。
なんとゆうか、選択肢を「選ぶ」ことはあっても「創る」ことはないとゆうか・・・。
国から水・電気・医療など生きていくうえで必要なものを与えられ
親から食事や寝床や遊び道具を与えられ
校から勉強や運動することを与えられ
会社から仕事と給料を与えられ
ほかにも、
本やPCから知識をあたえられ
ゲームから楽しさをあたえられ・・・・。
ショップから商品を与えられ
もちろん対価としてお金を払いますが、そのお金も上記のように「仕事を与えられた対価のお金」や「親から与えられたお小遣い」なんじゃないですかね。
大半の人がこんな感じで、自分からなにかアクションや創造をすることがないんじゃないですかね?
起業は自分から動かなければなにもできないとゆ、今までの生活から想像できないようなことをするような感じがします。
これが、
水のために井戸をつくったり、
電気のためにコイルを創ったり
食事のために農業をやったり
衣類のために機織をやったり
遊びのために道具をつくったり
これらの延長線上に
お金のために仕事を作る
ができるのでは?とおもいます。
なにを言いたいのまとまってなくてスイマセン。
しかし起業と言う言葉の概念の認識問題もありますよね。
消費者同士の個人売買までを週末起業だとか個人投資を投資家とか言うのであれば、これからは世の中全員が起業家、投資家という意識を持って暮らさなければイケナイのかもしれませんね。
起業にMBAが必要か。
これは私も一人の起業を目指す大学生として現在悩んでいます。とても参考になりました。
ありがとうございました。
就職活動を乗り切って、そして自分の目で大企業の内部を見てから独立するのと、最初から就職活動が面倒だからじゃ違うでしょ。
(最初の会社で、最低限のビジネスマナーなども学べる。)
>2. 起業するのに、そこまで練りこんだビジネスプランや資金調達策が最初から必要なのか?
自分がやる事に関しての、経験者が居るならば問題ないでしょうが、一人で始めるか、バイト雇って自分が使う立場なら、練り込んだプランが必要でしょう。
最初から失敗覚悟のゲーム感覚なら構いませんが?
>3.起業するのに、財務・経営能力人を使った経験が最初から必要なのか?
これも、若いからゲーム感覚で企業するなら必要ないでしょう。
けど質問では、老人向けの弁当屋になってますので、食品や衛生管理、あと栄養士や調理師の資格がないと、後々苦労すると考える人も多いでしょう。
老人向けってのが批判を受ける理由かと(つまり、考えが甘いと思われて当然)
アメリカが正しく、日本は間違ってるの前提で考えてませんか?
ここは日本で、弁当を買うのも日本人。
同じ日本人の意見が重要ですから、発言小町の意見は、そのままお客様の意見とも考えられます。
(何も実績もない、資格もない若造の弁当を食って、病気になりたくないって考えるでしょ。)
小町でバカにされて当然ですよ。
だから小町の文章だけ読むと、軽い思いつきで弁当屋をやりたいって考えてる、就職活動から逃避してるバカ学生にしか思えません。
起業が悪いって事じゃなく、小町の質問文章が軽いから、非難されるんですよ。
近所のパートがない専業主婦を、元学校給食のオバサン(学校給食なら100%調理師保有)にするとか、過去にアルバイトで弁当屋で働いてた経験があるなど、もうちょっと具体性が見える質問だと違ったでしょう。
あと金持ちの老人相手って事が書いてある事も、「バカで金持ってる老人と弁当宅配でコネ作ってから、その後は色々と売りつけて、楽して金儲け」って書いてあるようにも思えます。
面白く読ませて頂いて内容について非常に強く同意します。
個人的な意見ですが、外資→日系に移った企業人の経験で外資と日系の風潮の違いは、リスクとスキルの考え方に集約しています。
大まかに言って外資の方が起業しやすいモノの考え方です。
IT業界にいますが、周りを見てもスキルのある人しか起業していないのでそこに問題があるのかなと感じています。
人生を成功させるという目標の元、取りうるパスが日本の場合は大企業が正解(とまで昇華されている)というのは少し見直すべき時かもしれませんね。
起業のきっかけなんて軽い思いつきでいいし、就職活動からの逃避でいいんですよ。そういうことで批判している人には
* 軽い思いつきで始めたようなやつは長続きしない
* 就職活動から逃げてるようなやつは起業したって逃げる
って思い込みがあるんじゃないでしょうか? そういう意見を持つ人がいるのは仕方ないですが、それが多いってところに「空気」の差を感じます。
起業に必要な覚悟ってのは確かにありますが、それは上のような意見で「甘い」と言われてるものとはちょっと違います。見通しの甘さについては実行段階で練ればいいテクニカルな問題であって、人格批判に行くのはおかしいでしょう。
* 思いつきは軽くていいけど、約束/義理は重く見よ
* 逃げてもいいけど、原則としてより広い(オプションを狭めない)方向に逃げよ
ということが分かってればいいんじゃないでしょうか。
あと、「楽して金儲け」を狙うのはとてもとても大事なことだと思います。そういう業種があれば原理的にはみんなが参入するのですぐに楽じゃなくなりますが、起業家としては常に少しでも楽をできる次の一手を考え続ける必要があるでしょう。
まあでも、新しいビジネスに挑戦するのは楽しいし、日本でもこういう文化が根付いたら嬉しいですよね(私はベイエリアのベンチャーで働いています)。