家族総出でパット外せば罵声、入れれば歓声のマナー違反
日米のグリーンを席巻する韓国女子プロゴルファーの「芳しくない評判」=鵜飼克郎
(SAPIO 2009年10月14・21日号掲載) 2009年11月3日(火)配信
そして来年からはこの傾向がさらに強まりそうだ。
「世界同時不況の影響で来年の米女子ツアーが大幅に縮小される予定。それを見越して全米女子オープンを制した池恩喜や賞金ランク11位の崔羅蓮(ともに韓国)、昨年の全米女子プロ優勝の會雅尼(台湾)も日本参戦を決めている。移動が米国より楽だし賞金もいい≠ニいうのが理由。宮里藍や上田桃子のようにアスリートとして最高峰の米女子ツアーに固執するのではなく、あくまでも賞金狙いの出稼ぎ先でしかないんです」(ゴルフ担当記者)
韓国のゴルフ界は朴セリが98年全米女子オープンを制したことで、大きな流れができたといわれている。親が朴セリを目指して特に娘に英才教育をはじめ、毎年2000人ものジュニアゴルファーが誕生したという。いわゆる「セリ・キッズ」と呼ばれる世代である。韓国人選手たちは「セリは必死に練習すれば私たちでも勝てることを教えてくれた」と口を揃える。そんな世代が現在の強い韓国人選手の中心となっているが、
「彼女たちは財産をすべてつぎ込んでゴルファーにしてもらったことで、両親や家族を養う義務ができた。米国や日本へは家族で移住し、選手は成功か路頭に迷うかのふたつにひとつしかなく、家族の運命を背負っているという意識がある」(ある韓国人選手)
と悲愴な覚悟を口にする。
韓国人選手だけでなく、永久シードを持ち58勝の実績がある涂阿玉を目指して来日する台湾人選手、国策としてプロゴルファーを育成しようとしている中国など、出稼ぎのために日本を目指すゴルファーは今後も増える。
男子ゴルフ界でも、全米プロでタイガー・ウッズに競り勝ってアジア初のメジャー優勝者になったのは、韓国人選手のY・E・ヤンだった。母国以外の選手が優勝するとトーナメントそのものが盛り上がらないのはいずこも同じ。スポンサーが撤退し、ツアー縮小に拍車がかかると心配する声があるのも事実だ。
強さを発揮して賞金を稼ぐのは結構だが、少なくともツアーを盛り上げるという意識だけは持ってほしいものだ。
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