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【ドラニュース】


チェン、大炎上

2010年3月14日 紙面から

西武−中日 4回裏2死二、三塁、チェンは高山(左)から3ランを打たれガックリ=西武ドームで(榎戸直紀撮影)

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 不安ばかりが残った。中日のチェン・ウェイン投手(24)は13日、西武ドームでの西武戦に先発したが、6回途中までに2発を浴び、“自己ワースト”の8失点と大炎上。開幕投手の有力候補が仕上がりの悪さを露呈してしまった。開幕まで残すところ2週間。チェンがV字回復で調子を戻し、マウンドに立つことを願うしかない。

 昨季のチェンはどこへ行ってしまったのか。驚異の防御率1・54でセ界を牛耳った姿は跡形もなく消えていた。6回、4連打のつるべ打ちを食らうと、1死後に落合監督は交代を告げた。事実上のKO。マウンドを去るチェンの視線はグラウンドをさまよっていた。

 「わかっていても打てない」と称される剛速球はまるで面影がなかった。球速は140キロ前後にとどまり、コースが甘くなればことごとく痛打された。直球が走らなければ変化球も生きない。4回にはスライダーを高山に3ラン。G・G・佐藤には6回に直球をバックスクリーン左へ運ばれた。

 チェンは「ボール自体はだいぶよくなってきた。タイミングがずれてもなぜかヒットになった」と調子は上向いていると強調したが、被安打11では強がりに聞こえてしまう。失点「8」は公式戦での最多失点「5」を大幅に上回りキャリア最多だった。

 6日のオリックス戦(京セラドーム大阪)でも悪い予兆はあった。下山に2本塁打を浴びて3失点。昨季はリーグで規定投球回数(144イニング)をクリアした17人のうち、チェンの被本塁打は10本で吉見、大竹(広島)と並んで最少だった。それが、たった2度の先発で4発を浴びた。

 谷繁は「投げ方がどうとかいう問題じゃない。球質だ。チェンがあれだけ仕留められるのは『何で』っていう感じだ」と首をかしげる。

 森ヘッドコーチは「チェンがよくなっていると話した? じゃあ、ずっとダメなままだ」ときっぱり。帰りのバスへ続くドーム内の階段を上りながら、「この階段は、なげえな。チェンと浅尾の不調と一緒だ」と嘆いた。

 開幕を目前に控えての、左腕エースの思わぬつまずき。チェンは「もうちょっと足りない。調子を上げていきたい」。オープン戦で残された登板機会はおそらく1度きり。不安を洗い流すピッチングを見せなければ、「開幕投手」もかすんでしまう。 (木村尚公)

 

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