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奥州市長選 小沢氏派幹部が新人支援 不介入の方針一変
 | 公開討論会で政策を訴える小沢昌氏(右)と相原氏=2月14日、奥州市江刺体育文化会館 |
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任期満了に伴う岩手県奥州市長選(3月7日告示、14日投票)で、小沢一郎民主党幹事長の主力後援会の動きが注目を浴びている。立候補予定はともに小沢氏系列を掲げる現職相原正明氏(62)と新人の前市議会議長小沢昌記氏(51)。後援会は表向き「中立・不介入」だったが、水沢連合会幹部がそろって新人支援に回ったのだ。告示目前の“異変”に両陣営に波紋が広がりつつある。
異変があったのは2月17日夜、奥州市水沢区の小沢一郎事務所近く。後援会水沢連合会の小野田冨男名誉会長が支部長ら約50人を前に、新人陣営の顧問就任を明らかにし、「支持してほしい」との趣旨で呼び掛けた。その結果、ほぼすべての支部長が新人陣営に加わった。
奥州市内の後援会は夏の参院選を控え、「遺恨を残さないように」と市長選での中立を取り決め、個別候補支援の組織的な動きがこれまで表面化することはなかった。
小野田名誉会長は取材に応じず、「水沢区選出の候補を支援する個人的な動き」とされている。真意は定かではないが、両陣営はそれぞれに解釈する。
「何と言っても奥州は幹事長の地盤。連合会員の支援は心強い」と新人陣営幹部。呼び掛け会場が、小沢事務所が所有し、総選挙中の幹部会にも使われる「小沢会館」だったことも挙げ、「小沢事務所のお墨付きを得られた気分」とまで言う。
現職陣営は対照的だ。「実質的な機関決定に等しい。裏切られたという印象だ」と幹部は憤りを隠さない。
ただ、水沢連合会や小沢事務所の意向が首長選の結果を決めるとは限らない。前回の奥州市長選では連合会が支持した候補は落選。同時期にあった隣接の金ケ崎町長選でも、小沢事務所が擁立した候補が敗れた。
さらに小沢幹事長は現在、国政で厳しい立場にいる。「今回は政治とカネの問題を抱える小沢幹事長と距離を置いた方が得策かもしれない」と現職陣営の関係者は言う。
地元後援会の動きは、有権者の動向に影響するかどうか。奥州市選出の県議は「4年前の結果は『身近な選挙では自らの意思で投票先を決めたい』という有権者意識の表れだった。状況はそう変わらない」と冷静に見つめる。
2010年03月02日火曜日
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