メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群=メタボ)だと、かかる医療費は1.6倍――。中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽを運営する全国健康保険協会が10日、こんな分析結果をまとめた。血圧や腹囲の数値が高いメタボ予備群でも、いずれも正常値の人より医療費が高かった。
2008年度に生活習慣病の健康診断を受けた35歳以上の被保険者約425万人のデータを分析。健診の結果、メタボに該当する人と、そのリスクがない人について、1年間の医療費を比較した。
メタボの男性1人当たりの外来の医療費(薬代を含む)は平均11万2705円で、該当しない人(7万9619円)の1.4倍かかった。女性のメタボ該当者は、該当しない人の1.6倍の13万9390円に上った。入院医療費でも、メタボ男性が1.3倍、メタボ女性が1.5倍かかるという結果になった。
一方、メタボの人は「食事を食べる速度が他人と比較して速い」と回答した割合も高い。男性ではメタボでない人が34.1%であるのに対し、メタボは45.8%。女性でもメタボの44%がメタボではない人の30.4%を大きく上回った。
同協会が健診データと医療費を比較分析したのは初めてで、「今後、医療費などのデータがどう変わっていくかを継続して分析していく」としている。