140字以内の「つぶやき」をインターネットで投稿する「ツイッター」を、ビジネスで活用する動きが広がっている。まずは自分のつぶやきをよく見てくれている人たち向けに情報を発信、それを誰かが引用して再投稿していけば、宣伝効果は絶大らしい。地方の中小企業でも戦略的につぶやけば、あっという間に有名企業になるのも夢ではない!? その一方で、風説の流布などの問題が起こりやすいと指摘する専門家もいる。
■つぶやきに「客」200人反応
「誰かいりませんか? 3900円ですが、3千円でいいです」
三重県伊賀市の自転車ネット通販「クニツサイクル」の林正佳社長(45)は昨年末、空気圧計付き空気入れの在庫処理に困り、ツイッターでそうつぶやいてみた。
売れたことのない商品だったが、つぶやきの読者(フォロワー)が再投稿(リツイート)してからわずか1時間、「買います」と名乗り出る人が登場。「これは使える」と実感した。
「メールマガジンを1万人に送っても、反応してくれる人はたった数人。ツイッターなら1回つぶやけば、200人以上が反応してくれるんです」
今では売れ筋商品の紹介から世間話まで、毎日つぶやいては、注文を受けるホームページ(HP)のアドレスを添付する。どの客がツイッター利用者かは分からないが、「つぶやいたものから売れている」。
ツイッターでは、フォロワーの多さがそのまま影響力になる。クニツサイクル(アカウント名kunitsucycle)のフォロワーは1万人を超えた。「政治家」「グラビアアイドル」などカテゴリー別ランキングをまとめたツイッターの総合ランキングサイト「me you」によると、「店舗・オンラインショップ」のカテゴリーで全国9位。「ユニクロ」(約3万8千人)、「ファミリーマート」(約1万2千人)といった大手企業に続く。
最近では、購入時に自分のフォロワー数を言えば1人につき1円値引いたり、商品のモニターとしてつぶやいてもらったりする企画も試した。林社長は「いかに話題性を出せるかが勝負です」と知恵を絞り続ける。