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住宅エコポイントで業者は加熱、戸惑う消費者

2010年3月12日

  • 筆者 阿部和義

 09年12月11日のこのコラムで「住宅のエコポイントで経済は活気づくか?」と書いたが、エコポイントの申請受付が3月8日に始まった。住宅着工件数が45年ぶりに80万戸を割り込むという中で、エコポイントで何とか市場を活性化したいと国土交通省は懸命に宣伝に努めている。それに合わせるように住宅業界やそれに付随する関連業界も何とか売上げを増やそうと宣伝に努めている。ところが新築の場合は分かりやすいが、今はやりの改築(リフォーム)になると何が対象になるかが、分かりにくい。

 国土交通省が発表したエコポイントの具体的な中身は、新築工事の場合、09年12月8日以降に着手し1月28日以降に工事が終わったものが対象になり、1戸当り30万ポイントが与えられる。一方、分かりにくい改築については10年1月1日以降に工事を始めて1月28日以降に工事が終わったものが対象。具体例としては(1)窓の交換や内窓を設けて二重窓にする(2)外壁、屋根・天井、床に国が定める基準量の断熱材を使う、などである。こうした工事の時に床の段差をなくすバリアフリー改修にもポイントが発行される。

 「国の基準量の断熱材を使う」といっても、一般の人は基準量などはわからない。具体的なことは住宅メーカーに尋ねるしかないだろう。

 ポイント数は上限が新築と同じ30万で、外壁は10万、床が5万、屋根・天井が3万、二重窓の設置は1万7千から8千になっている。

 そもそも住宅にポイント制度を作ろうというのは、経済産業省が省エネのテレビや冷蔵庫などの家電製品にポイント制度を導入して経済効果を狙ったことを真似したものである。川本正一郎・住宅局長は「住宅はすそ野が広いので自動車産業と同様に経済の牽引車。エコポイント制度で新築や改築が進むことを期待している。このほか、住宅対策として住宅取得の贈与税の非課税枠の拡大、長期固定住宅ローンの1%の金利引き下げなど3点セットで景気回復を狙っている」と話している。

 一方、住宅業界はエコポイント制度で仕事を増やそうと懸命だ。サッシメーカーのYKK・APは東京・新宿のビックカメラに内窓を展示している。TOTOはエコポイント制度をにらんで2月から全国105カ所のショールームでYKK・AP製の内窓を設置。また、旭硝子など大手ガラスメーカー3社で作っている板硝子協会は今のサッシを利用して1枚ガラスを複層ガラスに交換するのが販売の主力だ。

 こうした業者の積極的な売り込みに対し、財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」は、窓のリフォームで解決したい目的は夏の暑さか、騒音か、結露か、をはっきりさせて決断すべきと、アドバイスしている。

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