独島:日本側が搬出を防ごうとした「立て札」(下)

 しかしこの立て札は、竹島(鬱陵島)への渡海禁止令を下したと記されており、日本側は、独島は該当しないと主張してきた。これに対し韓国側は、独島は鬱陵島の付属の島であって、特別に記載しなかったという論理を用いた。

 しかし、今回の立て札の発見で、日本が独島を自国領から排除していたことが明確になったわけだ。立て札は、続けて「海上で他国の船と出合わないようにし、遠い海にはできるだけ出ないよう申し付ける」と記している。

 当時の日本の記録を見ると、「江戸幕府の渡海禁止統治は立て札の形で掲示板に示され、小代官は方々にこれを知らせなければならなかった」とある。そのため、こうした鬱陵島・独島渡海禁止令の立て札は、日本の海岸のあちこちに立てられたと推定される。

 この立て札は昨年3月15日、京都のオークション会社「古裂会(こぎれかい)」で、最低落札価格を120万円として公開競売に付された。日本人3人が138万円、145万円、150万円で応札した。5万円差で落札されたものを、韓国人事業家が入手した。

 この立て札が競売に出されたことで、関心を寄せてきた日本の各メディアは、落札後も、「150万円で売れたが、落札者が誰なのかについて、オークション会社は口を閉ざしている」と報じるとともに、立て札の行方に注目した。

 韓国人事業家は、「この立て札が韓国に持ち込まれては駄目だ、という論調で日本メディアが関心を示したため、驚いた。日本側が搬出を禁止するかもしれないと思い、荷造りをしたりほどいたりを何度も繰り返した」と語った。

 この事業家は、事態が沈静化するのを待ち、10カ月後の今年1月になってようやく韓国に持ち込んだ。立て札は韓国に持ち込まれた後、虫食い穴から木くずがこぼれ落ちてくるため、韓国国内の文化遺産保存研究所で保存処理作業を施した後、公開された。

 立て札は殺菌・殺虫機能を持たせるため薫蒸処理され、割れていた表面は膠(にかわ)で処理された。材質は松で、薄れていた文字は赤外線撮影で判読した。

キム・ドンソプ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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