GPSより正確な「VLBI」、2011年導入へ(下)

 韓国は、VLBI計測用の電波望遠鏡と設備建設に伴う起工式を今年5月に忠清南道世宗市で行い、2011年には完成させる予定だ。

 国土地理情報院の関係者は、「世宗市にVLBIが完成すれば、韓国は米国、日本、中国、ドイツなどに続き世界で16番目にVLBI技術を独自構築した国家になる」と語った。

 VLBI技術があれば、韓国の緯度・経度も独自に割り出すことができる。今までは韓国の緯度・経度の座標を把握するに当たり、日本に依存していたが、VLBI技術の構築により、独自に緯度・経度の原点を決定できるようになる。

■大陸の動きを捕捉

 大陸はじっとしてはいない。地面を乗せているプレートやその一部である地殻は、極めてゆっくりとではあるが、じわじわ動いている。大地の動きにより、今年1月にハイチ、2月にはチリで大地震が発生した。プレートとプレートが衝突すると、海も揺れ動く。津波が発生する原因だ。

 VLBIは、大陸の動きを解明できる。人工衛星を活用したGPSでは、通常数メートルの誤差が生じる。ここで、人工衛星と地上の間に生じる誤差を縮めれば、センチ単位の正確さを確保できる。しかし、年に数ミリという大陸やプレートの動きを解明するには、GPSでは足りない。

 VLBIは、ゆっくりとしたものではあるが重要な大陸の動きを、人類に知らせてくれる、唯一の技術だ。VLBI技術により、韓国と日本の距離が過去100年間に4メートルほど近づいたという事実も分かった。年平均4センチ動いたわけだ。

 チョ・ジョンホ博士は、「韓半島(朝鮮半島)の微細な地殻の動きを教えてくれるVLBIは、地震など自然災害に備える重要な情報を提供する。VLBIの経済的価値は極めて大きい」と語った。

趙虎鎮(チョ・ホジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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