【大紀元日本3月14日】中国遼寧省瀋陽の森林野生動物園で、過去3ヶ月の間に「国宝」といわれる貴重な東北トラ11頭が死亡した。11日、「中国新聞社」が報道。「寅年にトラが餓死した」として、中国では注目を集めている。
経営難に陥った同園が餌の量を極端に減らし、トラが栄養失調になったためとみられている。また、地元当局では、狭い檻に閉じ込められたトラが十分に体を動かせず、免疫力が低下したことも、要因の一つとして発表している。
動物園の飼育環境が劣悪で、満足なケアを提供していないことが指摘されている。世界自然保護基金(WWF)の朱春博士は、野生トラの絶滅を避けるためには、まず、生活環境と食物チェーンを確保しなければいけないと指摘している。
また、虎骨が漢方薬の貴重な原料であることが、トラを絶滅に追い込んでいる一因とされる。例えば黒龍江の東北トラの動物園で、虎骨が入っている「虎骨酒」が販売されている。中国では1993年、漢方薬での虎骨の使用を禁止する規定が公表された。
同基金によると、現在、中国には野生のトラが約50頭、動物園や飼育場のトラが約5000頭いると推定されている。専門家は、確実な保護措置をとらなければ、野生のトラは30年以内にほぼ絶滅する運命にあると指摘している。
(翻訳編集・楊J)
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