2010年3月15日付チャートレビュー

SINGLE

1位『Troublemaker』
初動542334枚。前作43.1万枚より大上昇。初動だけでまたしても今年の年間1位独走態勢に突入。デビュー作「A・RA・SHI」に続く自身2番目の初動をまたしても更新2年連続で初動50万を記録したのは00〜01年のB'z以来だという。DVD付とC/Wが1曲多い通常盤の2パターンジャニーズ商法は前作と同じ。櫻井主演ドラマ「特上カバチ!!」主題歌タイアップは視聴率からいっても、何よりEDで曲がかかっているときに生放送と被っていて異常に音が小さいこともあり、さほど効果があったとも思えない。C/Wの「揺らせ、今を」は日テレのバンクーバーオリンピックテーマ曲。このタイアップを余裕でC/Wにしてしまう辺りに今の嵐の余裕&無敵ぶりが見える。2010年も人気の衰えは無いようだ。ジャニーズダウンで油断できないのでまずは「A・RA・SHI」に続く累計2番ヒットにまで持っていけるかに注目か。

2位シド『sleep』
初動41440枚。前作4.3万枚よりダウン。前作でも嵐と同日発売でさらにEXILEもいて3位だったが今回は2位に。DVD付2種の2パターン複数商法もいつも通り。アニメなしでもこのくらいの固定ファンはつかんでいる模様。ソニー典型パターンを抜け出せるのはUVERworldもそうだがやはりこの手のコアなファンがつきやすいヴィジュアル系に近いタイプのロックバンドか。

3位Berryz工房『雄叫びボーイ WAO!/友達は友達なんだ!』
初動25197枚。前作3.1万枚よりダウン。持ち直していたがまた下がってきた。ただしこれまで4位3回が最高だったので初のトップ3入り。DVD付2種の2パターン複数商法はいつも通り。さらにアニメ仕様でアニメのカードが入っている通常初回盤、ジャケットが違うだけの初回盤Cも存在。DVD付とこの初回盤Cにはイベント抽選シリアルナンバー封入のいつも通りのイベント商法。これだと初回盤Cの存在意義が不明だがイベント抽選シリアルナンバー目当てで複数買うのをさらに買いやすくするためだけに存在しているのか?アニメ「イナズマイレブン」EDタイアップだがイベント商法の勢いでアニメ効果は見えていない感じ。ほぼ同じくらいの人気だった℃-uteが相次ぐメンバー脱退でここのところ下げ気味なところを見ると少し差がついてきた

4位倉木麻衣『永遠よりながく/Drive me crazy』
初動23240枚。前作2.9万枚よりダウン。デイリー初日はBerryz工房に勝っていたが逆転された。昨年6月以来のシングル。昨年9月のベスト盤の新曲として大量オンエアされていたKOSEのCMタイアップと同じタイアップ。前2作は久々に2作連続トップ3入りするなど好調だったが、ベスト明けで波が少し去った模様。ただし08年には2.1万枚まで下げていたので今回それよりはまだマシである。

9位安全地帯『蒼いバラ/ワインレッドの心(2010ヴァージョン)』
初動9995枚。前作0.3万枚より大上昇。93年に活動休止し既に並行してソロ活動していた玉置浩二が完全にソロに移行。02年〜03年にかけて一時的に復活しており、今回03年9月以来の新曲。玉置浩二のソロ活動も08年以降体調不良で休止されていたので07年以来。安全地帯としてのトップ10入りは88年以来21年6ヶ月ぶりという快挙。玉置浩二のソロでも96年の「田園」以来となる。前回よりも完全復活と銘打たれて再始動が大きく取り上げられたのが効いたのか、再結成ブームや最大のヒット曲「ワインレッドの心」を持ち出したのが懐古ブームの流れに上手く乗ったのか。

11位miwa『don't cry anymore』
初動9066枚。ソニーの19歳の女性シンガーソングライターのデビュー作。ドラマ「泣かないと決めた日」主題歌とデビューからいきなりドラマタイアップで上位に食い込んだ。アコギを抱えたジャケ写といいYUIとか阿部真央とかその路線を髣髴とさせるが、果たして人気をつかむことができるだろうか。まあいきなりドラマタイアップにしたくらいだから気合入ってるだろうけど、ソニー典型アニメパターンにはまらずにいかに人気をつかめるかとなるとけっこう難しい。着うたフルでは好調で先週14位から3位に上昇している。

以下ピックアップ

23位JASMINE『THIS IS NOT A GAME』
初動3129枚。前作5287枚よりダウン。着うたで話題になったデビュー作から2作連続でダウン。今回は1万枚限定ということだが、とても売り切れる流れではない。肝心の着うたフルでも初登場16位とイマイチ。

36位Lil'B『Memory』
初動2178枚。前作0.9万枚よりダウン。アニメタイアップの前作から一転して大幅ダウンというソニー典型パターン。しかも前々作0.6万枚をも大幅に下回ってしまった。着うたフルでは7位に初登場しているので相変わらず着うたは強いようだが、人気は定着していない模様。

46位ビビアン・スー『Beautiful Day』
初動1724枚。しばらく見かけないと思ったら台湾に帰っていたというビビアンの日本本格復帰シングル。97〜99年にかけてはブラックビスケッツとして大ヒットを飛ばし、03年にはガンダムタイアップでVivian or Kazuma名義でトップ10ヒットも飛ばしていた。リリースはそれ以来となる。アニメ「くるねこ」主題歌ということでアニメ効果が多少はあったと思われる。

63位青山テルマ『帰る場所』
初動1326枚。前作3501枚より大幅ダウン。下げ止まらず一気に1000枚台になってしまい消えるコース一直線になってしまった。前作はBIGBANGメンバーとのコラボだったがあれでもコラボ効果が少しはあったのだろうか…。アニメ映画「ドラえもん のび太の人魚大海戦」主題歌タイアップだが効果なし?今回は大ヒットした「そばにいるね」以来、作詞作曲をSoulJaが手がけているがそれすらあまり話題になっていない模様。肝心の着うたフルでも先週88位から51位に浮上した程度でかなり厳しい展開に。

79位福田沙紀『Spr*ing for you』
初動1070枚。前作0.4万枚より大幅ダウン。昨年9月に自身の主演ドラマ主題歌で2年ぶりに歌手活動を再開。今回はアルバムとの同時発売で3曲中2曲がアルバムにも収録されているということを考えれば大健闘か。ただ肝心のアルバムもそんなに伸びていないけど…(下記参照)。

88位さくらまや『ノラ猫三度傘』
初動939枚。11歳の少女演歌歌手の2作目。史上最年少演歌歌手として08年12月のデビュー作は、昨年のレコード大賞新人賞を受賞して話題になっていた。演歌ということで微妙なところだが話題性からすればせめて4桁には乗せておきたいところか?でも演歌ファン的にどうなんだろう。

・先週1位のHey!Say!JUMPは5位2.3万枚のジャニーズダウン。前作と同じ推移。

・先週3位で今週8位の西野カナ『Best Friend』は着うたフルで3週連続1位。C/Wも2位に初登場して1位2位独占となっている。着うたでも好調、CDでも好調ということで完全に1つ抜けた存在に。

・9位以下1万割れ。もはやトップ10で全部1万越えるほうが少なくなってきた。

8000〜6000万台が皆無という珍しい事態となり、11位が9000枚台なのに12位からいきなり5000枚台、13位からもう4000枚台、16位で早くも3000枚台、25位で2000枚台となっている。しかし83位以下1000枚割れはそんなに悪くない。

・そういえばあの人が100位以内に見当たらないので調べてみた。

スペシャルピックアップ

163位IMALU『そんな名前 欲しくないよ』
初動423枚。前作1284枚より大幅ダウン。明石家さんま、大竹しのぶの娘として芸能界デビューしたIMALUの1月のデビュー作に続く2枚目。前作に続いてけっこうTV露出も多かったが、言葉にならない壮絶な事態に…。「ミュージックステーション」に出てこれしか売れなかったのって史上初なんじゃ…。着うたフルでは初登場42位なのは唯一の救いか。誰がどう考えても大赤字だと思うが既に3枚目のリリースも決定済み。果たして次は…。

ALBUM

1位清水翔太『Journey』
初動57155枚。前作5.6万枚より微増。さほど数字は変わらなかったが今回はレミオロメンが失速したため逆転でシングルアルバム通じて初の1位を獲得(前作は2位)。シングルの売上もデビュー曲以上のものはなく、加藤ミリヤとのコラボで話題になるという程度だったので2枚目で下げてきてもおかしくなかったが、ある程度の固定ファンはついたようだ。

2位レミオロメン『花鳥風月』
初動52950枚。前作28.1万枚より大暴落。初日こそデイリー1位を獲得したが清水翔太に逆転された。前作はベスト盤で復活したが、その前のオリジナルアルバムはいきなり大沈没して5.5万枚だった(その前のオリジナルでは30万台)。ベストはライトリスナーが飛びついたがオリジナルアルバムを買う固定ファンは減ったままで、むしろ前よりもさらに少し下げてしまい結果的には元通り以下に。シングルでも大きなヒットが出ていなかったので仕方ないといえば仕方ないか。ベストで復活したかと思ったんだけどこんな結果になるとは。

4位capsule『PLAYER』
初動27549枚。前作2.2万枚より上昇。前作はベスト盤なのにオリジナルより売れないTHE ALFEE現象に陥っていた。その前のオリジナル3.6万枚には及んでいないが、3作連続のトップ10入りとなった。

8位秦基博『BEST OF GREEN MIND'09』
初動16698枚。前作3.3万枚よりダウン。今回は弾き語りライブ2枚組アルバムということで前作オリジナルの半分程度。じわじわと人気上昇傾向ではあったが、弾き語りアルバムだとあまりアルバム待ちのファンにも興味をもたれていないようで今回はシングルより少し売れた程度にとどまった。そのシングルでも伸びは止まってきているので仮にオリジナルアルバムが来ても伸びももう無いかな?

9位レディー・ガガ『ザ・リミックス』
初動16357枚。前作1.5万枚より微増。デビューから3作連続トップ10入り。今回はリミックスということだがオリジナルよりも少し高くなっているという珍しい現象が。超過激なジャケ写はインパクトだが…。それだけ人気上昇しているということで次のオリジナルアルバムでは一気に伸ばしてくるのか?

10位ストレイテナー『CREATURES』
初動13520枚。前作1.9万枚よりダウン。4作連続トップ10入り。徐々に人気を伸ばしてシングルでも何度か1万割れながらもトップ10入りするほどになっているが、それ以上の伸びがなくなっていた。アルバムでも数字はピーク時の3万から下げてきており、固定ファンはつかんだものの広がりが無く、緩やかにピークは過ぎていた模様。

11位DEEP『DEEP〜brand new story〜』
初動11638枚。前作1.9万枚よりダウン。COLORからDEEPに改名しての初のアルバム。EXILEのATSUSHIプロデュースからも外れたがシングルではそんなに大きな変化は無かった。しかしアルバムでは数字を下げてしまい、COLOR時代はデビューから4作連続トップ10入りしていたが今回初のトップ10落ちとなった。

12位矢島美容室『おかゆいところはございませんか?』
初動11521枚。1stアルバム。直前シングルに続いてトップ10落ち。初動も直前シングルの0.7万枚を越えたものの、1st〜3rdシングルには及ばない結果に。完全に飽きられているのは明白だが、まだ4月に映画とそれに合わせての松田聖子とのコラボシングルが控えている。

以下ピックアップ

14位アイドリング!!!『SUNRISE』
初動11281枚。前作8448枚より上昇。前々作1.3万枚には及ばず。DVD付2種の2パターン複数商法(あとCDのみにはトレカ付)は前作と同じ。シングルよりも数字が出ないアイドル典型パターンでアルバムでは3作連続でトップ10に届かず。それでもハロプロのシングルとアルバムの酷い差に比べるとかなりマシ。

16位『花鳥風月集』
初動9585枚。コブクロ、絢香、Superflyらが所属するワーナーミュージックの近年のヒット曲を集めたコンピ盤。けっこう気合入れて宣伝していたので1万に迫る売上となったがあわよくばトップ10くらいは狙ってたのかな?なおワーナー所属のJAYWALKは収録されていないので回収対象にはならずに済んだ。

20位HOME MADE家族『CIRCLE』
初動7407枚。前作1.3万枚よりダウン。連続ダウンで5作目(ベスト含めて6作目)にしてついに初のトップ10落ち。シングルでも数字を伸ばせなくなっていたので仕方ないか。

21位忌野清志郎『Baby#1』
初動7322枚。前作1.5万枚よりダウン。昨年亡くなった忌野清志郎の89年に録音されたまま未発表になっていたアルバムを21年の時を越えて発売。5日発売と条件は不利だったのが響いたというのもあるが追悼効果が薄れてきている感じも。

以下ピックアップ

33位TVアニメ「けいおん!」オフィシャルバンドやろーよ!!PART2』
初動4953枚。前作1.7万枚より大幅ダウン。昨年関連作が軒並みヒットしたアニメ「けいおん!」のバンドスコア付アルバムの第2弾。前作は8位にランクインし、強さを見せ付けたが今回は波が去っているのか数字を伸ばせなかった。ただ4月からアニメ2期の開始が決定している。4月以降は関連作がまた軒並みヒットするのではないだろうか。何でアニメ開始前に出したんだろう…。

49位m.ov.e『Drean Again』
初動3363枚。前作0.6万枚よりダウン。2連続で半減。そこそこの人気を誇っていたがさすがにリリースペースが遅くてここに来てファン離れが加速している模様。

59位SKE48(team KU)『手をつなぎながら』
初動2535枚。先月出たSKE48(team S)のアルバムと全く同じ内容で参加メンバーだけが違うというアルバム。team Sの6657枚から半分以下となったがまあこれは仕方ないのでは…。

92位福田沙紀『VOICE』
初動1642枚。前作1718枚より微減。06年9月以来久々となる2ndアルバムだったが、アルバムまで買う固定ファンはわりとガッチリしていた模様。前作は100位だったので順位は上昇した。

・先週1位の東京事変は3位3.0万枚。まあ普通か。

・それ以外の旧譜勢は4週目のファンモンが5位、3週目の東方神起が6位、5週目のカエラが7位という並びに。なおカエラと同じ5週目の倖田は15位。

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