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特集 話題校を追って

(中)自立心養い 文武両道…一条(奈良)

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勉強もクラブ活動も集中して取り組むことで結果を出してきた一条イレブン

 選手権が近づいても、練習が2時間を超えることはない。勉強も重視しているためで、全体練習後はほとんどの部員が家路につく。「長く練習したからといって、成績が上がるわけではない。いかに集中できるかが重要」と前田久監督(44)。実際、今年は6月に近畿選手権を制し、8月の高校総体は8強。選手権は2年連続5度目の出場を決めるなど、しっかり結果を出してきた。

 奈良市立の進学校で、部員60人全員が県内出身。スポーツ推薦の入学制度はない。監督は「将棋に例えれば、『と金』が集まったチーム」と評する。多くの「歩兵」が経験を積んで「成り金」になっていく――。

 選手をたくましく成長させるには、「自立心をはぐくませることが重要」と強調する。ピッチでは「考えろ」「確認しろ」と度々指示。全員が徹底的に自らの役割を思考して動くことで、組織力は上がり、連動して個々の能力アップにもつながった。地区大会決勝で奈良育英を5―0で封じるなど、全5試合完封勝ちの結果は、相手の戦術やプレーを的確に読み切ったことが理由だ。

 サッカーも進学もあきらめない。選手権に集中しようと、地区大会が始まる前に指定校推薦で進学先を決めた3年生も多い。奈良県立医大に進む亀谷亮佑主将は「自発的に取り組むことで両立できた。選手権では高校総体の8強を超えたい」。全国を舞台に、文武両道の追求は続く。(清水裕)

2009年12月28日  読売新聞)
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