釜山少女暴行殺害:キム・ギルテ容疑者の素顔(下)

 10日に女児誘拐から2週間ぶりに逮捕され、取り調べを受けたキム容疑者は、それでも泰然としていた。焦点が定まらないようにぼうっとしていた。取調室には慣れていた。キム容疑者は取り調べ担当者にしきりにたばこをせがんだ。供述を引き出そうとたばこを与えると、キム容疑者はもうろうとした表情でそれをくわえた。

 夕方になって、キム容疑者は「チャジャンミョン(ジャージャーめんに相当する韓国式中華料理)を食べたい」と言った。半月の間、インスタントラーメンばかり食べていた容疑者だ。しかし、全部食べきることはできずに、はしを置いた。そして、再びたばこが欲しいと言った。

 警察はキム容疑者に入浴し、睡眠を取った上で、翌日に取り調べを行おうと提案した。長期間の逃亡生活で疲れていると考えたからだ。しかし、キム容疑者は「その必要はない。先に取り調べを受けたい」と話した。そして、女児殺害については無表情に「知らない」と繰り返したが、殺害容疑と関係ないことには供述に応じた。空き家に侵入したことに関しては、「空き家でインスタントラーメンを作って食べ、用便もした」と話した。

 キム容疑者は逮捕初日、午前1時まで取り調べを受けた後、シャワーを浴びた。あかを流し、警察が用意したトレーニングウエアに着替えた。午前2時ごろに横になったキム容疑者はしきりに体を動かし、なかなか眠れない様子だったが、午前3時ごろ眠りに落ちた。警察は独房ではなく、3人収容の部屋にキム容疑者を入れたが、不満の言葉はなかった。11日の食事は定食、チャンポン、テンジャンチゲ(韓国風みそ汁)だったが、きれいに平らげたという。

 捜査関係者は「キム容疑者は逮捕から1日たち、体調を取り戻したようで、取り調べ中ににらみつけるなど反抗している。たばこを吸うだけで供述はせず、たばこを与えないと今度は攻撃的な態度を見せる」と語った。

釜山=朴国煕(パク・グクヒ)記者

アン・ジュンヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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