世界のキタノ“ニセ勲章”手に爆笑凱旋
フランスの芸術文化勲章の最高賞コマンドール賞を受賞した映画監督でタレントの北野武(63)が13日、パリ発の航空機で帰国し、千葉・成田空港で会見した。映画作品に加えて、コメディアンとしての活躍も受賞理由だったことに「フランスはバカバカしいものも、それはそれで見てくれた」とご満悦。手作りの“ニセ勲章”を首からぶら下げるなど、爆笑凱旋報告となった。
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異国の地で歴史的栄誉に輝いたものの、いつもの武らしいウイットに富んだ帰国第一声だった。「フランスの文化勲章ですが、これからは日本の文化勲章と人間国宝を一日も早くもらいたい。もらったら、無銭飲食で捕まるのが私の夢」。
会場を爆笑で包むとすぐさまポケットに手をやった。取り出した物はおもちゃの金メダルに「バンクーバー」と手書きした“ニセ勲章”。笑いを畳み掛けた。
ニセモノに続いて、ホンモノの勲章を披露。右手で誇らしげに掲げたが「(裏に)『ドン・キホーテ』と書いてますね…そんなこと言ってたら、フランス政府からはく奪される!!」と自らツッコミ。受賞の喜びを抑えきれない様子だった。
フランスでの個展開催のため、7日に日本を出発したが、そのときの成田空港で受賞を聞かされたという。第一報に触れたときの感想を「『うれしいニュースがある』と言われて、事務所の脱税がばれたか、山本モナの浮気か、カミさんが死んだかだと思った」とたけし節で語った。
映画の監督作だけでなく、『コメディアン・ビートたけし』の業績も高く評価された。「映画監督として日本の(バラエティー番組の)映像が流れるのはヤバイかなと思ったら、フランスでは、才能があっていろんなことができるんだと思ってもらえた」と満足げ。「日本だと『漫才師が映画を撮った』とかになる。そういうことじゃなく、フランスは映画は映画、バラエティーはバラエティーで分けて考えてくれてありがたい」。
“世界のキタノ”として、日本における芸術文化のとらえ方に警鐘も鳴らしていた。