低迷する韓国映画の投資収益率(下)
■収益が上がりにくい映画投資
映画投資は一見儲かるように見えるが、投資会社の立場からすればそうではない。映画の収益のうち、一部しか実収入にならない構造があるためだ。観客が入場料8000ウォン(約630円)で映画を見た場合、その3%は映画発展基金への拠出金として控除され、さらに10%の付加価値税がかかる。残る6960ウォン(約550円)を映画館と配給会社が半分ずつ分け合う。その段階で配給会社が手にするのは3480ウォン(約275円)。そこから配給手数料などを配給会社が受け取り、残額から制作費を差し引く。さらにその残りを投資会社と制作会社に配分する。もちろん契約条件によって多少の違いはある。
映画の興行成功が容易でないことも、映画投資をためらわせる要因だ。昨年制作された韓国映画は138本。このうち、黒字だったのは16本にすぎず、比率はわずか13.6%だった。残る86本は制作費さえも取り戻せなかったことになる。公開作品全体の平均投資収益率はマイナス19.6%だった。
運用期間が5-8年の映画ファンドの収益率を見れば、不振ぶりがよく分かる。最近解散したバイネクスト創業投資の「バイテクストエンターテインメント1号組合」の収益率は4.4%だったが、それでも映画ファンドとしては収益率が高いほうだった。同ファンドは『グエムル』『マラソン』などに投資した。バイネクスト創業投資の関係者は、「ほかの映画ファンドは収益率がマイナスとなっているところがほとんどだ」と話した。
映画振興委員会のチェ・イングク出資事業担当は「昨年、映画振興委が出資した映画ファンドの平均収益率はマイナス10%前後だった。『海雲台』『国家代表』など多くの人気作品に投資したが、不人気だった映画も多く、全体として収益が上がらなかった」と述べた。結局映画というものは、見る者にとっては楽しいものだが、投資家にとっては、慎重な投資が求められる典型的なベンチャー産業と言える。
チョン・ビョンナム記者
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