低迷する韓国映画の投資収益率(中)
現在、活発に映画投資を行っているベンチャー投資会社は7-8社ある。また、大型の投資配給会社はCJエンターテインメントなど4社が存在する。これら企業が映画制作に昨年投資した金額は3188億ウォン(約252億円)に上った。
損益分岐点は主に観客数で計算する。韓国映画は版権販売などによる収入が少ないため、映画館での興行収入に依存している。ボストン創業投資のキム・ヒョンウ代表は、「映画館での興行以外にDVDの版権、海外版権などの収入があるが、韓国の場合は米国とは異なり、利益の90%が劇場収入によるものだ。映画館での上映期間を終えて、2-3カ月後に精算を行うのが一般的だ」と説明した。
■興行収入トップは『海雲台』、収益率トップは『牛の鈴音』
2008年以降で興行収入トップの韓国映画は、津波襲来を描いたパニック映画『海雲台』(ユン・ジェギュン監督)だった。観客動員数1132万人を記録し、810億ウォン(約64億円)の興行収入を上げた。次いで、スキージャンプ韓国代表チームの苦闘をコミカルに描いた『国家代表』(キム・ヨンファ監督)は観客動員数839万人で、興行収入は602億ウォン(約48億円)だった。08年以前の上映作品では『グエムル-漢江の怪物-』(06年、ポン・ジュノ監督)が観客動員数1301万人を記録し、興行収入433億ウォン(約34億円)を上げた。
今年の上映作品では、ソン・ガンホとカン・ドンウォンの主演による『義兄弟』(チャン・フン監督)が代表作だ。制作費63億ウォン(約5億円)が投じられ、観客動員数は投資会社が目標とした350万人を超える480万人を突破した。投資を行ったアジア文化技術投資のソン・ドンヒ会長は、「このまま行けば60%の投資収益率を達成できる」との見通しを示した。
しかし、収益率(輸出と付加版権料を除く)は興行収入とは事情が異なる。興行収入が少なくても、少ない投資額で多くの収益を上げた映画は収益率が高いからだ。昨年の作品では、観客動員数1位の『海雲台』と7位のドキュメンタリー映画『牛の鈴音』(イ・チュンニョル監督)が好例だ。1132万人の観客を動員した『海雲台』の収益率は539%。これに対し、『牛の鈴音』は観客動員数こそ292万人にとどまったが、収益率は実に9500%に達した。制作費2億ウォン(約1600万円)で190億ウォン(約15億円)を稼ぎ出したからだ。
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