「北朝鮮はトラクター工場で武器を製造」(上)

器の密売を担当していた脱北者が証言

 国際社会からの監視の目をくぐり抜け、北朝鮮が武器輸出を続けていることが明らかとなっている中、北朝鮮で武器の密売を直接担当していた脱北者A氏が8日、本紙とのインタビューに応じた。A氏は「北朝鮮は武器を積んだコンテナを3回から4回にわたり洗浄している。そのため、摘発は非常に困難だろう」と述べた。さらに、「トラクター工場とされている慈江道江界の26号工場は、化学兵器の弾頭をはじめとする北朝鮮武器工場の中心」と語った。現在警察の警護を受けているA氏は、「北朝鮮に残っている家族の安全のために、身分を明らかにすることはできない。具体的な経歴や職位は公開しないでほしい」と求めた。

第3国の運送業者が武器を運搬

 A氏によると、北朝鮮では党の軍需工業部、第2自然科学院、人民武力部偵察局、党作戦部(最近になって偵察局と統合)、第2経済委員会の五つの政府機関が武器を輸出しているという。そのうち、国防委員会傘下の第2経済委員会が最大規模を占めているとのことだ。

 軍需工業部は寧辺の核施設など、核開発に必要な物資を担当している。A氏は「原子力総局はイエロー・ケーキと呼ばれる核燃料棒の原料を生産しており、寧辺の核施設は軍需工業部科学課が管理している」と話した。第2自然科学院はミサイルを主に輸出しているが、販売したミサイルの性能強化や部品の交換といったアフターサービスも行っている。A氏は「主な顧客はイランの革命守備隊傘下の科学研究所で、こことは一体となって研究を行っている」と述べた。先月3日、イランは衛星用ロケットの実験に成功したが、このエンジンは北朝鮮のノドンミサイルのものだったと推定されている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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