【社説】獣の犠牲になる子供たち、もはや放置できない

 中学校入学を控えた13歳女児が誘拐され、性的暴行を受け殺害された事件のキム・ギルテ容疑者(33)は、2回の性犯罪で11年間服役した。1997年に9歳女児に、2001年には30歳女性に性的暴行を加え、それぞれ3年、8年を獄中で過ごした。それでもキム容疑者は、性犯罪者追跡用の電子足輪を装着していなかった。

 電子足輪は関連法が施行された08年9月以降、児童に対する性犯罪または性犯罪の再犯で起訴された被告に装着できることになっている。キム容疑者は警察による動向監視対象でもなかった。警察庁の例規によれば、実刑を3回以上受け、再犯の恐れがある者が監視対象だが、キム容疑者は前科2犯だった。同容疑者は、性犯罪者身元情報公開法の適用対象にも含まれていなかった。このため、隣人もキム容疑者が常習性犯罪者だという事実を知らなかった。

 08年に8歳のナヨンちゃん(仮名)に商店街のトイレで性的暴行を加えたチョ・ドスン受刑者は強姦(ごうかん)致傷などで前科17犯だった。06年にソウル市竜山区で女児に性的暴行を加え殺害し、遺体を焼いた犯人は執行猶予中の性犯罪前科者だった。07年に済州道で9歳女児を性的ないたずらの末に殺害した犯人は前科21犯、08年に京畿道高陽市のマンションで小学生を誘拐しようとした犯人は、子供5人に対する蛮行で10年を刑務所で過ごした人物だった。

 子供に対する性的暴行は子供の一生はもちろん、家族までをもどん底に陥れる。児童に対する性的暴行事件は、昨年警察に届け出があった分だけで1017件ある。両親がもみ消してしまう事件を合わせれば、数千人が被害を受けていることになる。どんな手段を使っても、さらなる犠牲者が出ることを防がなければならない。

 政府・与党は性犯罪者に対する「電子足輪法」が施行された08年9月以前に起訴され、収監中の性犯罪容疑者にも電子足輪を装着する方向で検討するという。対象は5000人だ。遡及(そきゅう)立法は違憲だとの論争を避けることができれば、そうすることはやむを得ない。児童に対する性犯罪者が住む地域の家庭に郵便で事実を周知することや、被害児童が成人になるまで公訴時効を停止することなどを定めた約20件の法案は、国会の怠慢で、常任委員会や法制司法委員会で審議が止まっている。国会議員は自分の子供が被害者になり得ると少しでも思いを致したならば、法案審議が停滞することはなかったはずだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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