釜山少女暴行殺害:キム容疑者逮捕までの2週間(下)

 このため、被害者がいつ殺害され、遺体がいつ遺棄されたのかをめぐり今後論議を呼びそうだ。警察が公開捜査に切り替えた時点(2月27日)、容疑者を指名手配した時点(3月2日)、容疑者を取り逃がした時点(3月3日)以降に殺害されたことが明らかになった場合、警察の軽率な公開捜査や容疑者追跡が責任追及の的となる可能性がある。警察内部でも、取り調べの結果によっては責任問題が生じるとみる雰囲気が感じ取れる。

 延べ2万人の捜査員を動員したにもかからわず、事件現場からわずか300メートル以内の範囲で2週間にも及ぶ逃亡を許した捜査体制にも問題がある。

犠牲者が出てから動き出す国会

 常習性が極めて高い性犯罪に対する管理体制の甘さ、国会の対応の遅れも市民の憤りを買っている。キム容疑者は性犯罪の前科が2回あるにもかかわらず、昨年6月に刑務所を出所して以降、電子足輪を装着していなかった。08年9月に「電子足輪法」が施行される以前の犯行だったというのが理由だ。性犯罪の常習性やキム容疑者の状況を考慮していれば、電子足輪でなくとも、特別な監視を行うことができたのではないかと悔やまれる。

 昨年起こったナヨンちゃん(仮名)暴行事件以降、韓国政府は児童に対する性犯罪の再発防止を掲げ、約40件の法案を提出したものの、処理が遅れている。政府は今回の事件を受け、電子足輪法の遡及(そきゅう)適用問題を含む法改正に着手するなど、後手の対応に終始している。

釜山=金学賛(キム・ハクチャン)記者、権慶勲(クォン・ギョンフン)記者

グラフィック=李撤元(イ・チョルウォン)記者、兪在一(ユ・ジェイル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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