「北朝鮮は5月か6月ごろ多者協議に復帰する」(下)

3回目の南北首脳会談はいつごろ開催されると思うか。

 「予測は非常に難しい。ただし、李明博(イ・ミョンバク)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記が会うということが最終的に決まれば、これまで韓国の大統領が行なった太陽政策や開放政策を、李大統領も継承するという重要な意味合いを持つようになる。だが現在の政治的状況では、今回もソウルでの会談は難しいだろう。そのため北朝鮮か、あるいは中国などの第3国で首脳会談が開催されるとみられる。そうなった場合、李大統領が韓国の国民にこのことについてどう説明するのかは容易ではない」

南北首脳会談の議題はどのようなものになるだろうか。

 「最も重要な点は核問題だ。李大統領が前任大統領が犯したミスを繰り返さないためには、単に言葉だけでなく実質的かつ具体的な成果を出さねばならない。次に重要なのは海上での紛争防止など、軍事的な相互信頼を回復させる問題で、3番目は開城工業団地の活性化といった経済協力問題も、テーブルに上がるだろう」

金総書記の三男、ジョンウン氏への権力世襲は成功すると思うか。

 「権力の承継に関しては、いつ行われるかが最も重要となる。金日成(キム・イルソン)主席から金総書記への世襲は、20年以上にわたり準備が行われたため、順調に進んだ。しかし、ジョンウン氏への世襲はまだ準備が不十分だ。もし近い将来、突然金総書記が死去すれば、権力の世襲は非常に難しくなるだろう。だが、金総書記が今後10年以上生存すれば、ジョンウン氏への権力の継承はスムーズに行われるものとみられる」

北朝鮮に権力の空白期間が生じれば、中国やロシアが北朝鮮を占領すると予想する学者もいるが。

 「少なくとも、中国の人民解放軍が北朝鮮地域を武力で占領するようなことはないだろう。中国はチベットや台湾問題においても、外部には常に“内政不干渉”を叫んできた。北朝鮮の崩壊は韓半島の内政のため、韓国人が自ら解決する問題だと考えるはずだ」

東アジア問題において今年最大のカギとなるのはどの国か。

 「日本だ。日本の民主党政権は発足してからまだ数カ月しかたっておらず、東アジア共同体や米国との外交関係の見直しなど、新たな方向に向けて動き出している。これが現実となれば、東アジアの秩序に大きな影響を及ぼすだろう」

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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