憲法改正について市民とともに考えようと、沖縄弁護士会と九州弁護士会連合会による憲法劇が13日、那覇市ぶんかテンブス館テンブスホールで上演された。憲法9条を身近に感じてもらおうと、沖縄弁護士会の会員ら約50人が出演、裏方を務めた。数カ月間のけいこを重ねて実現した舞台は、ユーモアを織り交ぜつつも迫真の演技で、来場者を引き込んだ。
物語は、憲法改正が行われたと仮定し、自衛隊が軍隊になり、海外派兵ができるようになった2020年の日本が舞台。陸軍への就職が決まった長男・一郎が海外の紛争地域に派兵されることになった沖縄の家族・仲間家の心の変化を通して、憲法9条の意味を問いかけた。
陸軍に入隊後、帰省した一郎や同僚と家族の会話では、これまでの憲法9条が果たしてきた平和的役割の大切さや、改正後の海外派兵での軍事力による国際貢献の必要性などが議論された。
劇は、一郎と一緒に紛争地域で活動する同僚からの不穏なメールで、家族が落胆する場面で締めくくられた。
上演後に講演した沖縄弁護士会の加藤裕弁護士は「海外派兵がされれば、劇のような仲間家が多く生まれる。憲法改正手続きを定めた国民投票法が5月に施行される。劇をきっかけに憲法9条について考えてほしい」と訴えた。