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【産経抄】3月14日
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日本の教育者たちも少しは見習ったらどうだろう。そんな皮肉のひとつも言いたくなる。日本の朝鮮学校で使われている教科書や、そこでの教育内容に対してだ。それほど本国の北朝鮮や指導者の故金日成主席、金正日総書記への礼賛であふれている。
▼特に「現代朝鮮史」の教科書には、主席と総書記の写真が随所に掲載されている。「敬愛する」「偉大な」という枕詞(まくらことば)がついた2人の業績は、全3巻で300回ほど出てくるという。数えた方もウンザリだろう。北朝鮮の対外関係も「我田引水」的な記述が多い。
▼特に日本人拉致事件で、悪いのは日本当局のようだ。拉致を「極大化し、反共和国、反(朝鮮)総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げた」と教える。核問題やテポドン発射も、日本当局や言論機関がこの機会を利用して総連瓦解のための「謀略宣伝」をしたのだそうだ。
▼断るまでもないが、北朝鮮国内で使われるものではない。これからも日本で生きようという在日朝鮮人の子弟らのための教科書である。本国のものより「反日性」は薄められているというが、金父子の写真が掲げられた教室でこんな歴史観が教えられているのだ。
▼もうひとつ皮肉を言えば、それに比べて日本の教科書の何と「謙虚」なことだろう。以前より多少は改善されてきたとはいえ、戦前の歴史はすべて日本が悪かったとする東京裁判史観による自虐的記述で満ちている。現場の教育はもっと自虐的だという報告もある。
▼中でも民主党衆院議員に違法資金を渡したとされる北教組は過激だ。卒業式や入学式で国旗・国歌を排除するためのマニュアルを作った支部まであった。民主党政権がそんな教組との関係を断ち切らないことには、教育の将来は暗い。