【社説】国際結婚家庭の子供たちの10年後を考えよう

 韓国国内に住む国際結婚家庭の子供のうち、40%が韓国語を十分に話すことができず、学校を中退したり、社会への適応が困難な状況にあるという。保健福祉部が昨年、国際結婚家庭の子供2400人を対象に韓国語の習得状況について調査したところ、10人中6人が、同年代の子供に比べて6カ月以上遅れていることが分かった。2歳の時点では80%が通常レベルの修得率だったが、6歳になると、この割合が30%にまで落ち込んでしまう。

 ハンナラ党の元喜睦(ウォン・フィモク)議員が公開した資料によると、国際結婚家庭の子供全体の就学率は、小学校で85%、中学校84%、高等学校は71%。これが一般の家庭では、小学校で97%、中学校95%、高校は89%であることから、国際結婚家庭での就学率が非常に低い状況にあることが分かる。2008年のケースを見ると、小中高校の就学年齢に当たる6歳から18歳までの国際結婚家庭の子供のうち、24.5%が正規の教育を受けておらず、また高校に限ってみると、69.6%が中退しているという。

 米国のある研究によると、医師や弁護士など専門職に就いている親たちは、1時間当たり2000個の単語を使用するが、一般労働者の場合は、それが1300個になる。つまり、親が使う語彙の数が、子供の知能発達に大きな影響を及ぼしているということだ。海外出身の母親は、当然のことながら韓国語を十分に駆使できない。そのため日常生活で使用する語彙も限られている。これが子供たちの言語習得レベルや知能の発達に、マイナスの影響を及ぼしているのだ。外国人の母親の中で、韓国語をある程度駆使できる朝鮮族出身者は、全体の17%だ。国際結婚家庭の53%が、所得が最低生活費以下で、塾や家庭教師はもちろん、幼稚園に通わせることが難しい状況にある。

 韓国に住む国際結婚家庭の子供の数は、2006年には2万5000人ほどだったが、07年には4万4000人、08年は5万8000人、09年には10万3000人と、毎年増加する傾向にある。10年後、20年後には、その数が数百万人に達する可能性もある。学業を途中で放棄した子供たちは、まともな仕事に就くこともできないまま、社会の落伍者となり、韓国社会に対する不満や敵がい心を持つようになるだろう。政府はこうした問題の深刻さから目をそらすことなく、国際結婚家庭を支援するための積極的な対策を検討していく必要がある。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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