大西洋産クロマグロ禁輸めぐり日本に非常事態(下)

 中でも最も強く反発しているのは日本だ。クロマグロは日本人が非常に好んで食べる魚で、世界で獲れるクロマグロの70%から80%を消費する、世界最大のクロマグロ輸入国だ。東京築地の魚市場で行われる競りで、世界のクロマグロ価格が決まると言われるほどだ。

 読売新聞によると、日本の農林水産省はこの規制を阻止するため、水産業に関する数々の国際会議に代表団を派遣し、各国に対する説得に乗り出しているという。しかし、こうした日本の動きは各国からあまり好感の目では見られていない。これまで日本を支持してきたエジプトなども、今では支持しないとの立場だ。

 日本が大西洋のクロマグロ輸入禁止案に強く反発する理由は、日本が世界から輸入するクロマグロのうち、大西洋と地中海沿岸諸国からの量が全体の3分の1を超えているからだ。禁止案が通過して大西洋のクロマグロが輸入できなくなった場合、日本では「マグロ大乱」が起こる可能性もある。そのため日本政府の交渉団は、この輸出入禁止案が通過した場合には、ワシントン条約からの脱退も考慮するとの意向を示している、とウォールストリート・ジャーナルが報じた。

 大西洋産クロマグロの輸出禁止案は、日米関係にも悪影響を及ぼす可能性がある。米国は輸出禁止案に賛成の立場を示しているからだ。60年以上にわたりマグロの競りを行ってきたある日本人は、ワシントン・ポストの取材に対し、「米国がクロマグロの輸出禁止に同意するのは、トヨタ自動車や沖縄米軍基地移転問題に続く、もう一つのジャパン・バッシングだ」と述べた。

李仁黙(イ・インムク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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