元保険プランナー、顧客の保険金担保に巨額融資

 元フィナンシャルプランナーが在職当時に外資系生保のING生命保険から取得した顧客情報を悪用し、顧客の保険金を担保に巨額の融資を受けた横領事件が明るみに出た。ING側は発覚後しばらく、金融監督当局に届け出を行わず、事件を隠ぺいしようとしていた疑いも浮上している。

 INGの顧客(45)は最近、自身が契約している終身生命保険を担保に借り入れを受けようとして同社を訪ねたところ、「既に融資を受けているため、応じられない」と言われた。顧客は2000年3月に保険料支払い期間10年の同保険に加入し、先月までに3億ウォン(約2390億円)の保険料支払いを終えていた。

 同顧客は、ヘルスクラブでの親交がきっかけで保険の管理を依頼した同社のフィナンシャルプランナーが昨年6月から先月中旬にかけ、計5回、約1億6000万ウォン(約1280万円)を同顧客の名義で借り入れていた事実を確認した。INGによると、問題のプランナーは事件発覚前の08年12月に退社していた。

 INGが行った独自調査の結果、元プランナーは本人認証が必要な融資を受けるため、在職当時に顧客から借り受けた身分証で同社富川支店を訪れ、同顧客に成り済ましていたことが分かった。また、融資に応じた事実が発覚しないように、元プランナーは同顧客が普段使っていた保険料引き落とし口座とは別の銀行口座を開設し、使用していた。

 ING側は、ほかの顧客も元プランナーによる横領被害を受けた可能性があるにもかかわらず、事件発覚後しばらく、金融監督当局に報告していなかった。このため、INGが事件の隠ぺいを図ろうとしたのではないかとの疑惑も浮上している。ING側は「8日に金融監督院に報告しており、警察にも告発する計画だ」と説明している。

金載坤(キム・ジェゴン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る