ロシアでまたも韓国人襲撃
首を刃物で切られ重傷
韓国政府、危険情報レベルの引き上げも検討
外交通商部が8日に発表したところによると、モスクワの全ロシア映画大学(VGIK)3年生のSさんは7日、交際している女性とともに、モスクワ市南西部の新興住宅地にある商店街を歩いていたところ、白い覆面をした男に刃物で首を切り付けられた。目撃者らは、「最初、男がSさんを後ろから抱きかかえたため、単なるいたずらかと思ったが、突然刃物を取り出し、首を切り付けた」と証言した。近くの市立第31病院に運ばれたSさんは、出血がひどく、血管手術を受けた。韓国政府の関係者によると、「事件直後、すぐに病院へ運ばれ手術を受けた。手術は成功したものの、大量の輸血をしたため、3日程度は様子を見守る必要がある」と語った。なお、Sさんが襲われた地区では、先週にもキルギス人が現地の若者によって殺害される事件が起こっている。
韓国政府は、今回の事件が排外主義者による犯行とは断定していないが、その可能性は排除しておらず、ロシアの内務省や外務省を通じ、事件の真相を把握して、犯人の検挙、対策を講じるよう求めた。また、排外主義者による犯行であることが判明した場合は、ロシアに対する危険情報のレベルを引き上げることも検討している。
現在、ロシアには留学生約2000人を含め、約6000人の韓国人が居住しており、また年間に5万-10万人の韓国人観光客がロシアを訪れている。現地に住む韓国人たちは最近、韓国人を狙った犯罪が相次いでいることから、極度の不安を感じ、「子どもたちを外出させられない」といった反応を見せている。韓国政府は普段から、留学生を含むロシア在住の韓国人に対し、「カジノには行かない」「集団で行動する」「暗い場所には近付かない」といった安全指導を行っている。だが、今回襲われたSさんは、一人で行動していたわけでもなく、また住宅地で昼間に襲われたことから、現地では「いかなる安全対策を講じても、こうした犯罪には太刀打ちできない」と懸念する声が出ている。外交通商部の金英善(キム・ヨンソン)報道官は、「危険情報レベルの引き上げを含め、安全に関する総合的な対策を検討している。危険情報レベルの調整は、相手国に与える影響を考慮しつつ、慎重を期する必要がある」と語った。
ロシアでは2005年2月、サンクトペテルブルクで10代の韓国人留学生が二人組の男に凶器で刺されて負傷し、また07年2月には、韓国人留学生が集団暴行を受け、1カ月後に死亡する事件が起きている。昨年1月には、短期語学研修中だった韓国人の女子大生が、引火性物質をかけられ火傷(やけど)を負う事件も発生した。なお、この事件の加害者3人は、外国人に対する同様の犯行を十数回にわたって繰り返していたことが分かった。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者
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