教育激戦区のソウル・江南、大学進学率は最低!?

「いい大学に受からなければ浪人を選ぶ傾向」

 「私教育(塾や予備校などの学校外教育)特区」と呼ばれるソウル市江南区が、大学進学率では意外にも全国最低レベルであることが分かった。イートゥース・チョンソル評価研究所が昨年の大学進学率統計を分析した結果、全国16の市・道のうち、大学進学率が最も低かったのはソウル市(65.6%)で、同市の25自治区の中では江南区(56.6%)が最も低かった。

 江南区の大学進学率が最も低いのは、加熱する私教育の中心地である同区が、浪人生の集まる予備校の中心地でもあるためだ。江南区にあるA高校の進学担当教師は、「昨年、大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)で実力通りの点を取った生徒が、無理して実力より上の大学を志願し、『ダメなら江南の予備校で浪人する』と話すケースがよく見られた。全員というわけではないが、経済的に余裕があると、『いい大学に受からなければ浪人』という傾向がある」と語る。

 大成学力開発研究所のイ・ヨンドク所長は、「10年前ぐらいから、予備校の中心地が鷺梁津(ソウル市銅雀区)から江南に移っている」と語る。

 江南を含むソウル地域の生徒の進学率が低下したのは、受験生がソウルの大学に集中する傾向が高まったためとみられる。

 不況のため、ソウルから地方の大学に進学するケースが減少したという分析も出ている。ソウル進学指導協議会のチョ・ヒョワン代表は、「ソウルの保護者にとっては、子どもを地方の大学に入れると下宿費用がかさむ。大学修学能力試験の成績が悪かった生徒が、家で浪人するケースが増えた」と語った。

オ・ヒョンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る