進歩VS保守、無償給食の実施範囲めぐり対立(下)

地方選挙最大の争点

 保守陣営も、普遍的福祉の論理そのものを否定しているわけではないが、「当座の増税なしに普遍的福祉を推進するのでは、増大する財政的負担に耐え難い」という立場だ。ソウル大のイ・ボンジュ教授は、「普遍的福祉は韓国が長期的に志向すべき問題であって、李明博(イ・ミョンバク)政権も政策の方向として提示している」と語った。

増税か、ほかの予算を削減か

 2010年を基準として推定した場合、小学校だけで新たに1兆811億ウォン(約863億円)が必要となる。中学校まで追加すると1兆8484億ウォン(約1476億円)、高校まで加えると3兆1233億ウォン(約2494億円)の追加費用が発生する。保守陣営は、「3兆ウォンあれば、公教育強化のためさまざまな政策をより効率的に展開できる」と主張している。3兆ウォンを税金でまかなう場合、児童・生徒一人当たり月に4万ウォン(約3194円)程度の追加負担が発生する。

 進歩陣営は、「財政自立度が低い地域に属する全羅北道・慶尚南道では既に実施しており、ほかの市・道も、地方自治団体長の意思さえあれば可能だ」(李鍾杰〈イ・ジョンゴル〉議員)と主張している。また一部では、「4大河川整備事業のための予算22兆ウォン(約1兆7567億円)の一部を回すだけでも、無償給食は解決する」と指摘している。

 これに対し保守陣営は、「給食費を無料化するというのは、税負担を増やしたり、ほかの福祉を減らすといった問題に発展する。無償給食をめぐる論争は典型的な朝三暮四の主張」と反論した。

李仁烈(イ・インヨル)記者

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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