ロシア韓国人襲撃:容疑者二人を検挙

韓国政府、ロシア大使を呼び遺憾の意を伝える

 今月7日、ロシアに留学中の韓国人学生Sさん(29)が、首を刃物で切り付けられ重傷を負った事件で、ロシア当局は9日、韓国政府に対し、容疑者二人が検挙された、と通知した。

 また、先月15日にシベリアのアルタイ地方で、短期留学中の大学生Kさん(22)を殺害したとして、捜査を受けていた容疑者3人も、犯行を認めたことが分かった。

 外交通商部はこの日、ロシアのコンスタンチン・ブヌコフ駐韓大使を同部の庁舎へ呼び、ロシアで韓国人に対する襲撃事件が相次いでいることに対し遺憾の意を表明した。

 外交部のシン・ガクス第1次官は、ブヌコフ大使に対し、「Kさんが集団暴行を受け死亡した事件のショックが冷めやらない中、またも似たような事件が繰り返され、ロシア在住の韓国人たちは皆不安におびえている。とりわけ、韓国とロシアの国交正常化20周年に当たる今年、このような事件が起こったことは極めて遺憾だ。ロシアに滞在する韓国企業の駐在員や韓国人留学生たちは、韓ロ両国の懸け橋としての役割を果たしているが、その安全が脅かされる事態は、両国関係に否定的な影響を与える恐れがある」と伝えた。

 これに対し、ブヌコフ大使は、「ロシア政府に代わって、強い遺憾の意を表する。とりわけ、亡くなったKさんのご遺族に対し哀悼の意を表するとともに、重傷を負ったSさんの家族に対しても、お見舞いの意を表したい」と答えた。ブヌコフ大使はまた、「ロシアの捜査当局は現在、事件の早期解決に向け、全力で取り組んでいる」とした上で、Sさんの事件の容疑者二人を逮捕したことを伝え、さらに「韓ロ関係のためにも、このような不幸な出来事が繰り返されないよう、最善を尽くしていく」と述べた。だが、ロシア当局は韓国政府に対し、「両事件とも、韓国人を狙った犯罪ではないと認識している」と伝えた。

 一方、韓国政府はロシア全域に対し、危険情報のレベルを「第1段階」(十分注意)とするとともに、モスクワをはじめとする一部の地域は「第2段階」(旅行の自制)とする案を慎重に検討しているという。また、必要があれば、政府高官をロシアに派遣することも検討している、と政府関係者は伝えた。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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