釜山少女暴行殺害:キム容疑者逮捕までの2週間(上)

 10日午後2時45分ごろ、釜山市沙上区三楽洞の徳浦市場付近にある集合住宅に釜山地方警察庁第1機動隊の警察官二人が立ち入り、屋上のドアを開けた。すると、キム・ギルテ容疑者(33)が隣の建物に飛び移った。警察官が追ってくる気配を察知し、危険を顧みずに逃走を図ろうとしたのだ。キム容疑者は隣接する建物との隙間の一方の壁に背中を、もう一方の壁に手足をはわせ、路上へと逃げた。30秒にも満たないわずかな瞬間にまるでアクション映画を思わせる光景が繰り広げられた。

 建物横の路地に下りたキム容疑者は、通行人を装い、悠然と駐車場の方へと向かって歩き始めた。しかし、路地を出る前に周辺を捜索中だった別の警察官に発見された。うろたえたキム容疑者は前を遮ろうとした警察官に体当たりし、またもや逃走を図った。しかし、30メートルほど先で追跡してきた警察官に身柄を確保された。キム容疑者は強く抵抗したが、さらに沙下署の捜査員二人が駆けつけるとようやく手を上げた。逮捕された現場は犯行現場からわずか300メートルの場所だった。

逃走過程

 警察が予想した通り、キム容疑者は犯行現場周辺から逃走してはいなかった。被害者の13歳女児が連れ去られた自宅、被害者の遺体が発見された民家の水タンク、潜伏先が発覚し逃亡した空き家、逮捕直前に隠れていた集合住宅などは300メートル以内の距離にあった。最近町内で相次いだ窃盗事件も、キム容疑者が逃亡中に必要な品物や現金を盗んだものとみられる。警察は「最近徳浦市場で食べ物が頻繁に盗まれるという被害届けがあったため、捜査員を集中的に投入した」と説明した。

 逮捕当時のキム容疑者は、手配のビラと同じグレーのフード付きシャツと黒のジャンパー姿だった。長期間の潜伏で服を着替えられなかったとみられる。ひげは伸び放題で、頭髪も汚れていた。食べ物を十分に食べていなかったようで、指名手配されたビラの顔写真に比べはるかにやつれた姿だった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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