釜山少女暴行殺害:キム容疑者逮捕までの2週間(中)

 キム容疑者が逮捕直前にいた集合住宅の屋上には、特に身を隠すスペースがない。警察は「キム容疑者は最初から屋上に隠れていたわけではなく、周辺で捜索が強化されたことから一時的にここに身を潜めていたようだ」と説明した。屋上には食べ物を食べた痕跡もなかった。この建物は捜査員が既に3-4回捜索しており、当時もキム容疑者が潜伏している形跡はなかった。

空き家が密集する現場周辺

 被害者の女児は2月24日の午後7時から9時の間に自宅に一人でいるところを連れ去られた。犯行が可能だったのは、被害者宅が再開発予定地だったためだ。住宅460戸のうち、約180戸が空き家だった。キム容疑者が逮捕までの2週間にわたり潜伏していたのもこの町内だった。家屋が密集しており、逃亡には適していた。「再開発」という名の下で、町内全体が治安の「死角地帯」となっていた。釜山再開発再建築市民対策委員会は、「地方自治体は再開発、建て替え事業が円滑に進むよう支援を行い、警察は徒歩によるパトロールを強化すべきだ」と指摘した。

警察の甘い見立て

 警察の捜査にも問題点が多かった。警察は行方不明となった女児の公開捜査に踏み切って以降も単純な失跡の可能性が高いとみていた。部外者のものとみられる足跡が被害者宅で発見されたにもかかわらず、殺人事件の可能性をそれほど念頭には置いていなかった。警察がキム容疑者による犯行を有力視して以降も、これまでのキム容疑者の行動からみて、女児を拉致、監禁している可能性が高いと判断していた。しかし結局は、被害者が遺体で発見されるという最悪の結果となってしまった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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