救急車に道を譲るマニュアル、韓国初登場

 「サイレンを鳴らしながら緊急出動する救急車が後方に接近してきた場合、ドライバーは3車線以上の道路では第2車線を空け、1、2車線の道路では右側に最大限車を寄せる」

 緊急出動の救急車に道を譲る要領を盛り込んだマニュアルが韓国で初めて登場した。消防防災庁は10日、「緊急車両に道を優先させる文化が浸透しない理由に、“緊急車両を避ける方法が分からない”という意見が多く、状況別に道の譲り方を示した手引きをオンライン・オフライン資料として作成・配布し、運転免許試験や予備役訓練などを通じ、国民に大々的に知らせることにした」と発表した。

 新たに登場したマニュアルによると、▲交差点またはその付近で運行している車は、緊急車両が接近してきた場合、交差点を避け、道路右側の路肩に車を一時停止させなければならない▲一方通行の道路の場合、右側の路肩に一時停止するのが原則だが、道路状況により、右側に寄せると緊急車両の通行に支障をきたす可能性がある場合は、左側の路肩に停止してもよい▲片側1車線の道路では、右側路肩に最大限寄せて徐行運転をするか、一時停止しなければならない▲片側2車線の道路では、緊急車両は第1車線を走行するのが原則で、一般車両はすべて第2車線に移動し、道を譲らなければならない▲片側3車線以上の道路では、緊急車両は第2車線を走行し、一般車両は第1車線か第3車線に最大限移動し、道を譲って運転するのを原則とする。

 緊急車両の優先通行関連の法令である道路交通法第29条にも、緊急車両が接近してきた場合には道路の右側路肩に避け、進路を譲ることを明記しているが、今回のマニュアルはこの法令に基づき、道路の状況によって、道の譲り方をさらに詳しく提示している。

 消防防災庁は、今回作成したマニュアルを今後、消防防災庁のホームページやポータルサイトなどに掲載し、対国民広報に積極的に取り組む方針だ。また、模範運転者会や住民代表の会などの各団体にも、なるべく多くの資料を提供する計画だ。警察庁など関連機関とも協力し、運転免許取得の際に救急車への道譲りの要領を強調して教育するほか、予備役訓練などを通じ、関連教育を実施する予定だ。これにより、これまで要領が分からず、救急車に道を譲れなかったという一部国民の不満は、かなり解消されることになった。

金成謨(キム・ソンモ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る