【コラム】フランスから見た「無償給食」騒動(下)

 現在、フランスの保護者たちが子供の給食代として支払う金額は、1食平均3.66ユーロ(約450円)。だが、保護者が負担する給食代は実際の原価の半額以下で、残りは地方自治体が予算から補助している。このため、フランスの場合、保護者の所得水準だけでなく、地方自治体の財政状況によっても給食代が変わる。財政状況がいい自治体では、一度策定した給食代の等級を1年間適用するが、財政が苦しい自治体では、世帯主の就職などで家計が改善されればすぐに無償でなく有償にする。

 フランスでは、すべての小中高生たちが学校給食を利用しているわけではない。小学生の二人に一人、中高生の3人に一人は昼休みに家に戻り、昼食を食べてから再登校する。学校給食を食べるかどうか、どの程度の額を負担するかどうかは、すべて児童・生徒や保護者の選択と所得により決まるのだ。

 何でも一律に行うのが好きな韓国とよく似たケースは、ないこともない。フランス中央政府と地方自治体は2008年9月、約1000校とデザートの果物を無償提供する「デザート無償給食協約」を結んだ。低所得層世帯が多い地域の学校では、財政状況の都合上、デザートを無償提供するのが難しいため、国が特別予算から支援し、一括して果物を無償提供しようというものだ。低所得層の子供たちは栄養が偏っているため、これを解決するための措置だった。韓国では、全面的な無償給食を施行するのに計3兆ウォン(約2400億円)の追加予算が必要だという。給食代補助が必要ない中・高所得層に掛かる額を、低所得層の子供たちの栄養不足解決に投入するなど、より細かな「給食政策」を話し合うべきではないかと思う。

パリ=金洪秀(キム・ホンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る