ロシアの裁判所、スキンヘッドに最高22年の判決

米国務省「スキンヘッド、ロシア全域に7万人」

 韓国人留学生に対する襲撃事件が相次いでいるロシアで、殺人事件に関与したスキンヘッド(排外主義の若者)に対し、重い刑が言い渡された。

 イギリスのBBCテレビが報じたところによると、ロシア中部の都市ウリヤノフスクの裁判所は11日、2008年にアフリカ人を殺害したとして起訴されたスキンヘッド9人に対し、最高22年の懲役刑を言い渡したという。被告らは「シムビルスク・ホワイト・パワー」というグループのメンバーで、08年8月、カメルーン国籍の男性を刃物で惨殺したとされる。当時、ラジオ局のディスクジョッキーだった被害者は、仕事を終えて帰宅途中、路上で被告らに襲撃され死亡した。

 被告のうち3人は、異人種に対する憎しみから、被害者を殺害したとして、重い刑が言い渡されたという。一方、女性一人を含むほかの被告らは、過激な排外主義の団体を結成し、殺人を計画したり、強盗を働いたりしたとして起訴され、2年以上の懲役刑を言い渡された。被告らは08年、計10回にわたり、非スラブ系人種に対する無差別的な攻撃を繰り返し、その場面を携帯電話のカメラで撮影して、インターネット上で公開していた。

 先月にはモスクワの裁判所も、「白いオオカミ」というグループに属するスキンヘッド9人に対し、9年-23年の懲役刑を言い渡した。被告らは、キルギス人など外国人11人を刃物やドライバーなどで刺殺し、その様子をネット上で公開したという。BBCテレビはこれらの判決について、「 “スキンヘッドと戦っていく”というロシア政府の強い意思を示す事例だ」と指摘した。ロシア当局は、「スキンヘッドとの戦い」を繰り広げている最中に、韓国人留学生に対する襲撃事件が発生したため、困惑を隠せない状況だという。

 一方、米国務省は、この日発表した「2009年人権報告書」で、「ロシアのスキンヘッドによる犯罪は減少傾向にあるが、異人種に対する犯罪は依然として懸念すべき状況だ。スキンヘッドはロシア全域で7万人に達する」と指摘した。なお、ロシアでは08年に118人、昨年には74人がスキンヘッドの攻撃を受け死亡した。

チョン・ビョンソン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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