市職員が水道メーター改造を持ち掛け /ソウル
水道料金を3分の1程度に減らす
2004年6月、ソウル市瑞草区瑞草洞にオープンしたばかりのKサウナに、同市上水道事業本部江南水道事業所料金課の職員A容疑者(当時41歳)が訪れ、「水道の使用量の検針に来た」と告げた。そして、Kサウナ管理部長のO容疑者(当時46歳)に対し、小声でこう持ち掛けた。「水道料金を安く済ませる方法がある。水道メーターを改造する技術者を紹介してあげるから、リベートを渡してほしい」。O容疑者は、毎月の水道料金を正規の料金の3分の1で済ませられる、というA容疑者の提案を快く受け入れた。
数日後、「アン先生」と呼ばれる70代の男がKサウナを訪れた。そして、慣れた手つきで水道メーターを取り外し、一番大きな歯車の歯3-4個を切断して、歯車がゆっくり回るように細工した。水道メーターの中にある、秒・分・時間を表わす針は、それぞれ大きさが違う歯車と連結している。このうち、時間を表わす針と連結している歯車は、最もゆっくりと回るため、故障しているかどうかが分かりにくい。A容疑者らはこれを悪用し、歯車に細工をしたというわけだ。通常は1トンの水を使えば、メーターが1立方メートルずつ上がる仕組みだが、メーターに細工することで、3-4トンにつき1立方メートルずつ上がる上がるようになり、水道料金を3分の1程度に減らしたのだ。
Kサウナはこうした手口で、04年6月から最近まで6年にわたり、毎月の水道料金を300万-400万ウォン(約24万-32万円)に減らした。これは同程度の規模の店が支払っている水道料金に比べ、約1000万ウォン(約80万円)も安い。このことを不審に思った瑞草警察署が最近、捜査を行ったところ、O容疑者は毎月約1000万ウォンずつ、合計で約7億ウォン(約5600万円)の水道料金を支払っていなかったことが分かった。一方、A容疑者はO容疑者から、毎月200万ウォン(約16万円)ずつ、計1億5500万ウォン(約1240万円)のリベートを受け取っていた。
Kサウナがこれまで、何の疑いも持たれずに営業を続けてきたのは、オープン当時から改造された水道メーターを使用していたためだ。最初から水道使用量が一定だったため、検診担当の職員も疑いを持たなかったというわけだ。
瑞草警察署は12日、A容疑者とO容疑者を逮捕するとともに、「アン先生」と呼ばれていた技術者(78)の行方を追っている。警察は、A容疑者がほかの店に対しても同じような犯行を行った可能性があるとみて、調べを進めている。
キム・シヒョン記者
ハン・スヨン記者
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