釜山少女暴行殺害:石灰が決定的証拠に(下)

 キム容疑者は今年1月にカン某さんを強姦した容疑で指名手配され、その後は家の塀を乗り越えながら、逃亡生活を続けていた。それも、調理しないインスタントラーメンや盗んだ飲食物で空腹を満たすような状況で、まさに自分だけで精一杯の状況にあったはずだ。そのため、ユリさんを連れ回しながら長い間うろつくようなことはできなかった、と警察はみている。

 また、キム容疑者は先月25日午前10時ごろ、酒に酔った状態で、かつて刑務所で共に過ごしたキム某氏(33)に7回電話をかけ、「話したいことがある」などと訴えていたが、警察はこれも状況証拠の一つとみている。ユリさんを殺害したことによるつらい心境を話したかったのではないか、ということだ。

 一方で、「ユリさんの遺体はそれほど腐敗が進んでいないことから、発見された当時、死亡してからあまり時間がたっていなかったのでは」という見方もある。つまり、ユリさんは誘拐されてから7日か8日過ぎた、3月2日から4日の間に殺害されたのではないか、ということだ。しかしこれには、「釜山の天気はそれまで暖かかったが、当時は突然寒くなった。そのため腐敗が進まなかった」という反論が可能だ。ユリさんが誘拐された2月24日には、釜山の最低気温は7.9度、最高気温は18.4度まで上がっていた。しかし、3月4日の最低気温は7.2度で、最高気温は8.8度までしか上がらなかった。

 さらに、ユリさんの遺体にまかれていた石灰は、腐敗の進行を防ぐ効果もあるという。

 しかし現時点では、ユリさんの正確な死亡時刻を断定するのは難しい。ユリさんの遺体は貯水タンクの中から発見され、しかも遺体は石灰で覆われていた。このように数々の複雑な要因が絡み合っているためだ。

 釜山大学法医学研究所の許基永(ホ・ギヨン)所長は、「死亡時刻を推定するには数十種類の方法があるが、死亡から3日以上過ぎた場合には、信頼できる方法はない」と述べた。

釜山=朴国熙(パク・グクヒ)記者

アン・ジュンヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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