ネットゲームに熱中、赤ちゃんを放置死(下)
A容疑者夫妻が、生まれたばかりの娘を死なせるほど熱中していたゲームは、少女のキャラクターを育てるロールプレイング・ゲーム『プリウス・オンライン』だったことが分かった。このゲームは、霊的能力を持った「アニマ」という少女とともに戦闘を繰り広げる内容で、韓国のほか、台湾でも最近サービスが始まり、ゲーム関連のランキングサイトで1位に浮上するなど、爆発的な人気を呼んでいる。ゲームに登場する「アニマ」は、ユーザーが常に管理し、世話をすることで親密度を高めるため、一種の育児ゲームともいえる。「アニマ」はやがて、ユーザーに対し、戦闘を有利に進めるために手助けするなど、大切なパートナーになっていく。また、バーチャルマネーを使って、「アニマ」の服やアクセサリーを購入、着飾らせることもできる。
さらに、「アニマ」は記憶を失った少女として描かれているが、ユーザーとともに戦って「経験値」を上げていけば、失った記憶や感情を取り戻すことができるため、ユーザーの感性を刺激し、ゲームに没頭するようになる。逮捕されたA容疑者夫妻もまた、ゲームの中でこの「アニマ」を育てていた。
専門家らは、A容疑者夫妻が、健康状態の良くない実の娘を育てていかなければならないという重圧に耐えられず、逃避の手段として、ゲームの中のキャラクターやバーチャル・リアリティー(仮想現実)に心酔したのではないか、との見方を示している。東国大警察行政学科のクァク・テギョン教授は、「いわゆるオンラインゲーム中毒により、仮想と現実を区別できない状態になり、ゲームの中でキャラクターの世話をする行為が、実の娘への虐待に伴う罪悪感を和らげ、満足感を与えているのではないか。こうした状況は、個人の力では改善できないため、家族や隣人など周囲の人々が、地方自治体や医療機関に相談し、真っ当な日常生活を送れるように手助けするシステムを整備していかねばならない」と指摘した。
水原=梁煕東(ヤン・ヒドン)記者
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