韓国で女性向け脱毛関連市場が急成長

ここ7年で脱毛患者が73%増加、頭皮管理や治療剤の需要が急増

頭頂部用の部分ウイッグも人気

 これまで男性中心だった脱毛関連市場で、女性が主なターゲットとして浮上している。ストレスや過度なダイエット、髪染めなどが原因の脱毛に悩む女性が増え、シャンプー、ウイッグ、治療剤など、女性用脱毛関連製品の販売が増えているのだ。

 国民健康保険公団健康保険政策研究院によると、2001年から08年までに脱毛などにより病院で治療を受けた女性は73%も増え、この増加率は男性(49%)よりも高いことが分かった。

■女性の需要の増加率は男性以上

 オンライン・ショッピング・モール「オークション」での女性用脱毛関連商品の販売伸び率は33%で、男性の伸び率(25%)を上回った。脱毛関連製品全体の顧客のうち、女性が占める割合は36%で、全体の3分の1を超えた。

 この傾向に最も敏感なのがシャンプー業界だ。愛敬社は今年1月に女性用脱毛予防シャンプー「エスタール・ヘアロス・ソリューション」の販売を開始した。この製品は昨年、男女共用として開発されたが、女性の反応が予想以上に良かったことから、女性用に特化して新たに発売された。月別の売り上げは、昨年12月には4億ウォン(約3100万円)だったが、先月は13億ウォン(約1億円)へと一気に増えた。

 LG生活健康は昨年12月、脱毛予防用韓方(韓国漢方)シャンプー「リエン韓方ヘアロスクリニック・ジャハジン」を発売した。開発に当たっては、30代から40代の主婦層から意見を聞き、女性客が多いデパートの文化センターなどで販促イベントを行った。

 アモーレ・パシフィックが販売する機能性シャンプー「呂」は、商品のコンセプトを「昔の女性たちの豊かな髪の秘法」とした。

 業界では広告モデルとして、人気タレントを相次いで起用している。愛敬の「エスタール」はキム・ヒソン、アモーレ・パシフィックの呂はイ・ミヨン、LG生活健康のリエンはスエを起用している。

 LG生活健康リエンのブランドマネージャーであるチャン・インジョンさんは、「市場調査企業のACニールセンによると、シャンプー市場全体で頭皮や脱毛管理用シャンプーが占める割合は、2007年には4.6%だったのが、昨年は14.3%へと3倍に増えた。これは、脱毛が女性の間にも広まっているからだ」と述べた。昨年12月に愛敬が24歳から44歳の女性400人を対象にアンケート調査を行ったところ、頭髪と頭皮関連の悩みの中で、最も大きなものが脱毛であることも分かった。

■女性用ウイッグの販売も急増

 脱毛専門治療剤の販売も増えている。現代薬品によると、女性が主に使用する脱毛治療剤の昨年の売り上げは、2005年に比べて2倍ほど増えたという。現代薬品は昨年10月、女性向けの脱毛治療用内服薬を発売した。

 ウイッグの需要も増えている。新世界デパートによると、本店、永登浦店、京畿店、仁川店で女性用ウイッグを専門に取り扱うシークレット・ウーマンは、2007年に各店舗で営業を開始して以来、毎年30%以上の売り上げ増を記録している。新世界デパートは、中年女性による部分ウイッグの需要が急増していることに注目し、1階の雑貨コーナーにあった売り場を昨年、女性服売り場へと移した。

金承範(キム・スンボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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